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~絆~大切なモノ  作者: 裕加
第2章 親友との出会い
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《中学1年生編》

【大和side】


食堂のテーブルの上に、次々に並べられていく重箱…

さすがに、1人で食べきれる量ではない。

「楓…これでは、量が多過ぎではないのか?」

「何、言ってるの!朔也様は、育ち盛りなのよ?これでも、少ないくらいだわ!そうですよね?朔也様♪」

駄目だ…《育ち盛り》を、勘違いしている…

楓の言葉に呆れながら視線を動かすと、混み合う食堂を通り抜けて行く数人が目に止まった。


先頭に2人、後方に3人…

合計5人に、囲まれるようにして歩く1年生。

先程、朔也様の教室で言葉を交わした…

あの位置関係からして、友好的な関係ではない事は一目瞭然…

「……気になるのか?」

………ッ…!

私の心を見透かすように、朔也様の目が私を見上げている。

「いえ…申し訳ございません…」

主の事以外に意識を向けるなど、あってはならない事なのに…

「大和…あなた、どこか変よ?何があったの?」


ーーーーーーーーー……………………


朔也様の食事中の時間を利用して、教室であった事を楓に話した。

「…………………その時の1年生が、食事もせずに通り抜けて行ったんだ」

「確かに、それは気になるわね…ここを通り抜けても、あるのは部室棟だけだし…昼休みに、行く場所ではないわ…」

それに、あの5人…

1年生が逃げられないように、周りを囲んでいた。

「考えられるのは、イジメかカツアゲか…どちらにしても、低俗極まりない」


ーーガタン…


「食事中に後ろでそんな話をされては、どんな料理も不味くなる」

席から立たれた朔也様が、私達を見詰めている。

「「申し訳ございません」」

「………水無月、ここで少し待っていろ。高木は…今すぐ、部室棟へ案内しろ」

部室棟…あの1年生が、向かった場所…

「御意」

「なりません!朔也様御自ら、不良に近付かれるなどッ!大和も、お止めしなさい!」

止めるも何も、私にとって朔也様の命令こそ全て…

楓が心配する気持ちも、充分に理解出来るが…


「問題はない。何があったとしても、朔也様に指一本触れる事は私が許さない」

「絶対よ?自分が言ったんだから、絶対に守りなさいよ!」

しつこいくらいに、何度も念押しされる。

確認されるまでもなく、朔也様に危険が及ぶような事は絶対にしない。

「お前達…随分、好き勝手言ってくれているが…俺も、今まで鍛えてきたんだ。不良の1人や2人…」

「「それだけは、絶対にしてはいけません!」」

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