表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
~絆~大切なモノ  作者: 裕加
第1章 はじまりの子
14/143

《幼少編》

「……………………………」

「どうした?何故、黙っている。『出て来い』と言ったのは、お前ではないのか?」

お父さまのお顔は、いつもどおりだった。

でも…声は、いつもよりひくかった。

「ボケッとしてんじゃねぇよ!日下部の旦那!アンタ、こいつに絶望与えるんじゃねぇのかよ!」

「………俺達が…何の為に……ぅ…ッ…!…手を貸した…のか……おも…い……だ…せ…」


ーードサッ…!!


ボクのすぐとなりで、たおれる音がした。

それがなにか見ようとしたら…

「見てはいけません!」

やまとお兄ちゃんの手で、目かくしされた。

見えなくても、これがどういうことなのかはわかる…

「……しんじゃったの…?」

「………ッ…!………おそらく…」

わかってたのに、聞いてしまった…

ちがうって言ってほしかった…


「あ………ぁ……どうして……うあぁぁぁーーー!!」

「朔也様ッ…!!」

どうして、こんなカンタンに…人はだれかをころせるの…?

「うるさいッ!朔也ッ…!美空家の男子たる者、これしきの事で簡単に動揺してはならん!」

………これしきのこと…?

いったい、なん人しんじゃったと思っているの…?

「ご高説は立派だが、こちらの存在を無視しないでもらおうか。折角…お前に絶望を与える為に、こんなお膳立てまでしたんだ」

「……何が目的だ…?」

《くさかべ》のもくてき…

お父さまにゼツボウをあたえるために…

「お父さまの目の前で、ボクをころすこと…」

「フ…ハハハハハッ!かしこいねぇ朔也君。ご褒美に、一瞬で殺してあげるよッ…!恨むんなら、自分の父親を恨むんだな!」


ーーザワザワッ…!!


うしろの方で、いろんな人の声がした。

「直ちに日下部他1名を捕らえ、子供2人を保護しろッ!!」

「「「はッ…!」」」

やまとお兄ちゃんにイスから立たされて、うしろをむかされた。

「そのまま、ふり向かずに走って下さい!早くッ…!」

言われたとおりに、けいさつの人たちがいる方へはしった。

「無駄無駄ァ!死ねぇぇ……ッ…!?………ぐあぁ…!!」

けいさつの人たちもこっちにむかってきてたから、ボクたちはすぐにたすけられた。


《くさかべ》は、つかまったのかな…?

「朔也様…ご無事で何よりです……どうかされましたか?」

やまとお兄ちゃんのやさしい手が、かみをなでてくれた。

「やまとお兄ちゃんが、『ふりむかずに』って言ったもん…」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ