表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
~絆~大切なモノ  作者: 裕加
第2章 親友との出会い
122/143

《中学1年生編》

「私には言ってなくとも、孫や桐生殿には言っておるのではないのか?私が、何も知らぬと思うなよ?」

た、確かに…俺は、クリアさんに『味方だ』と言われた事がある…

だけど、何でお爺さんがそれを知ってんの!?

「不思議な事じゃないよ。この屋敷には、至る所にご隠居様の配下の者達がいる。交わされた会話の全てが、ご隠居様の耳に入るんだ」

驚きを隠し切れなかった俺を見たクリアさんから、更に驚く情報が与えられた。


『交わされた会話の全て』って…それって、思いっきりプライバシーの侵害なんじゃ…

「……桐生、お前の言いたい事は分かる。だが、ここは治外法権。この国の常識は、通用しないと思ってくれ」

どこぞの大使館か…

いや、そんな事より…どこの国の常識でまかり通ってんだ、この屋敷は!!

……というか、さっきから俺一言も喋ってないのに…クリアさんも美空君も、何で俺が考えてる事分かるの?

そんなに、表情に出てる?


思わず、顔を触って確かめてしまう…

それを見たお爺さんが、軽く笑って俺に話しかけてきた。

「お主、なかなか一筋縄では行かぬ男じゃの。脅せば簡単に引き下がるように見えて、実際は意外な方向からの反撃を狙っておる」

いや…別に、『狙って』はいないんですけどね…

本人の予想もしない所で、勝手に評価が上がってる…

「一筋縄で行かないのは、お爺さんの方ですよ。何の為に、《試練》なんてやって人を試すんですか?」


昨日の夜の《試練》は、何とか切り抜けられたけど…あれがまだ第2段階で、更に最終段階が待ち受けているらしい…

「簡単な事。お主が、朔也の友人として相応しいか見極める為じゃ。第3段階に進むのは、お主が初めてじゃな。喜んでよいぞ」

この人、今まで美空君に近付く人達を何人蹴落としてきたんだ…

「お言葉を返すようですが、ご隠居様…こんな事、もう止めませんか?」

クリアさんが、とうとう勝負を仕掛けた。


「どういう意味かの?はっきりと、申してみよ」

本当はちゃんと分かってるくせに、とぼけて全部言わせるなんて…

その部屋にいるお爺さん以外の全員が、固唾を飲んでクリアさんの言動を見守る。

「では、言わせて頂きます。孫の友人関係に祖父が口を出すなど、時代遅れなんですよ。これはあなたに限らず、御前様にも言える事なんですがね…少しは、ご自分の孫を信用されてはいかがですか?」

本当に、はっきり言っちゃった…

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ