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~絆~大切なモノ  作者: 裕加
第2章 親友との出会い
118/143

《中学1年生編》

ーーーーーーー……………


ーー1時間後…


ーー1983年7月17日(日曜日)・午前8時00分…


屋敷の外廊下を歩きながら、先程クリアが話してくれた話の内容を思い返す。

『手駒を潰す』…それはつまり、また誰かの血が流れるという事なのだろう…

(あるじ)の命令1つで、己の命さえも投げ打つ使用人達…

どこまでも忠実に、そして確実に任務をこなす事だけを求められる。

意思を持つ事すら、許されていない。


何よりも相手は、あのお祖父様だ。

連れている使用人達は、古参の腹心…

それが何人いるかも、把握出来ていない状況なのだ。

加えて…こちらでまともに闘えるのは、クリアと高木の2名だけ…

闘ったところで、結果は火を見るより明らか…

今のままでは、到底敵わない。

現段階でもそのような状態なのに、クリアは1人でどうするつもりだったのか…

ふと、足を止めて振り返る。

「朔也様…?どうか、されましたか?」


水無月が俺と視線を合わす為に、身を(かが)めながら問いかけてきた。

「……お前達に、命令を下す」

俺の言った『お前達』とは、高木と水無月の2名に対しての発言だったのだけど…

言葉を受けて片膝を立てた2人に(なら)って、クリアも同じ姿勢をとった。

「クリア様、何をなさっているのです?あなた様は、関係ないでしょう?」

高木の言う通り、これは従者に義務付けられている事でクリアには関係のない事だ。


「関係は…あるよ。僕は、いずれ朔也様の主治医となる身…主治医とは、読んで字の如く《(あるじ)を治す医者》…だから、僕の(あるじ)は朔也様なんだ。その御方から命令が下る時に、立ったままなのはおかしいだろ?」

筋が通っているのか、いないのか…何だか、よく分からない理屈をこねられてしまった…

冗談にしても本気の言葉にしても、今はそれを追及する時間が惜しい。

お祖父様との朝食の時間が、迫っている。


「……分かった。今は、それでいい。命令は…《俺が許可するまで、絶対に動くな》。例え、何があってもだ」

力技に出るのは、あくまでも最終手段だ。

回避出来るのであれば、誰も傷付かずに済む。

暴力では、何も解決しない。

「しかし…!それでは…ッ!」

言葉を返そうとする高木を、睨み付ける事で黙らせた。

「……これは、《命令》だ。反論は、認めない。返事は…?」

求める返事は、ただ1つ…

「「「御意」」」

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