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~絆~大切なモノ  作者: 裕加
第2章 親友との出会い
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《中学1年生編》

朔也様のお言葉に、一喜一憂している自分がいる。

たった13歳の少年に、いとも簡単に心を動かされる。

いつからこんなにも、大切な存在になったのか…

僕に、笑顔を見せてくれた時から?

その可愛らしい声で、僕の名前を呼んでくれた時から?

思うに、それは……

「心の声が気持ち悪い方向に行っているので、とりあえず殴ってもよろしいでしょうか?」

……ッ…!?

や、大和!?

「なんで…って、あれ?朔也様は!?」


気付けば隣に朔也様のお姿はなく、代わりに呆れた顔をした大和が僕を見ていた。

「お2人共、東屋の方へお戻り頂きました。あなた様にも声をかけようとしましたら、物凄く気持ちの悪い心の声が口から洩れ出ておりましたので…軽く…いえ、かなり引いてしまいました」

言い直した方が、酷いってどうなの?

東屋へ目を向けると、そこへ歩いて行く朔也様と桐生君の後ろ姿が見えた。

「朔也様に聞かれなくて、よかった…」


「もし聞かせていたら、あなた様は今頃この世におられませんよ」

それって、抹殺!?

心の声聞かせただけで、僕は存在ごと抹殺されるの!?

しかもコイツ、その気になれば本気で殺りかねない…

「お前、いつもに増して毒吐きすぎ…何、怒ってんの?」

睨み付けてきた大和が、僕の胸ぐらを掴み上げた。

あれ…?デジャヴ…かな?

何時間か前にも、同じ事されなかった?

「勝手にいなくなったくせに、今更後悔ですか?」


傷口に、塩塗りたくって来るなよ…

いつから、話を聞いてたんだ…

コイツが不機嫌になるのは、決まって僕が昔を思い出した時だ。

「僕は…後悔すら、させてもらえないの?」

「悔やめば、過去の自分が変わるのですか?泣いて謝られても、ムカつくだけ…いつまでも、過去に囚われ続けるのは疲れませんか?」

15歳の少年から、どうやったらそんな言葉が出てくるんだよ!

本っ当にコイツは、言葉だけ聞いてると年齢不詳すぎ!


朔也様と違って、可愛さの欠片もない。

「お前に謝った訳でもないのに、ムカつかないで…人って、後悔して成長するらしいよ」

僕の胸ぐらを掴んでいる手が、ゆっくりと離れていく。

だけど、大和の目は僕を睨み付けたままで…

「過ぎた後悔は、更なる(わざわい)しか生み出しません。あなた様が、今からなさろうとしている事のように…」

何をするのか知らないのに、《(わざわい)》と断言するか…

「知りたい?」

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