プロローグ
とうとう、この日がやってきてしまいました…。私は、緑を基調とした、鮮やかな装飾に包まれた大きな研究棟の前に立ち尽くしています。
ここが、第三研究院…。先生が言っていた『第三』とは、この第三研究院のことです。
この前、卒業式の日のことを思い出します。
******
卒業式が終わった後、先生に呼び出されて行った教室にて。
「え…?先生、もう一度言ってもらっても…?」
「君の就職先は、『神聖帝国軍魔術研究局』だよ。そう、魔術研究者の憧れで、研究以外の面でも国を牽引するエリートの集まりである、あの研究局さ。とは言っても、『第三』だけどね。」
******
と、いったことがあったんです。
私だけが、推薦された就職先を卒業式当日まで教えてもらえなかった時から、ずっと嫌な予感はしていました…。
やはり、やはり「私が早めに伝えたら絶対に断るだろう」と見越して、わざと遅く伝えてきたんです!本決まりになってからなら断れないから!
魔術研究局には3つの研究院があり、魔術の真理を探究する、根からの研究者揃いの第一研究院、集団魔法を専門とする、一番貴族色が強い第二研究院、そしてここ、生活魔法の研究を専門とする、唯一平民が入ることを許された第三研究院。
先生は「まあ第三だし」と言っていましたが、私にとっては1番の憧れで、ここに入れることは誉れです。
なんですが、ちょっと緊張でお腹が痛くなってきました。帰ろうかな、よし、帰ろう!そっと…
「そこの君、新人のジェマ・ルーディスさんだよね。もう入ってきて大丈夫だぞ。」
あ、捕まってしまいました。
******
「一通り説明は終わり。これから、仮配属という形で東四番研究室で二週間ほど勤めてもらうよ。
研修が終わる頃、東四番室の室長から、配属される研究室を伝えられて本配属になる。東四番についたよ。これからは東四番の人が説明してくれる筈だ。じゃあ、頑張ってくれよ。」
「案内ありがとうございました」
頭を深く下げる。所作からきっと貴族の方だろうと。なので、失礼があっては困りますから。
案内をしてくれた方がいなくなった後すぐに、優しそうなおじさんから声をかけられました。どうやら室長さんのようです。
「君がジェマ・ルーディスさんですね。よくきてくれました。私は室長のプブリキウスです。」
「あなたの席はあちらです。これから一緒に頑張りましょう。」
それから、しばらく仕事の説明を受けました。
東四番研究室のみんなを見ていたら、なんとかなる気がしてきました。これから頑張るぞ!
なにぶん処女作でしてはじめの方は読みにくいことも多いと思いますが、ストーリー自体も遅効性ですのでなにとぞ我慢強く読んでいただけたら幸いです。




