表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

1/4

地下アイドル、悪役令嬢になる



「フォーレスト・カルセイナ、お前との婚約を解消させてもらう」


——来た。


ざわめきが広がる大会場。

LEDとは違う光でゆらゆら揺れるシャンデリアの光。


ああ、これ。

“断罪イベント”ってやつね。


ゲームで何度も見た光景。

悪役令嬢が、みんなの前で婚約破棄されて、破滅に向かう——あのシーン。


(……やっぱり、こうなっちゃうか)


私は小さく息を吐いた。


でも。


(だから何?)


胸の奥が、じんわりと熱を帯びる。


——こんな舞台、ぬるすぎる。



私は東京で地下アイドルをやっていた。

そこそこファンもいたし、地下の中じゃ上澄みってやつ。


あの日も、いつも通りライブだった。


照明が落ちてきたのは、本番中。


ぐらっと視界が揺れて、

次に気づいたときには——私は潰れていた。


(だからあのオンボロ劇場は嫌だって言ったのよ、私。)


……で。


目を覚ましたら、ここ。


豪奢な天井、動きずらい重たいドレス、歩くのも一苦労な高いピンヒール。


そして理解した。


(ああ、これ——転生ってやつね)


しかも、ただの転生じゃない。


(よりによって、悪役令嬢)


フォーレスト・カルセイナ。

第三王子の婚約者で、そして——破滅する女。


……笑える。



でもまあ、いいわ。


どんな舞台だって、センターは私。


——悪役令嬢?上等。


ファンゼロスタート?


ふふ、何回やってきたと思ってるのよ。


地下で這い上がるのは、得意分野なの。


(……とはいえ)


ちらり、と脳裏に浮かぶのは、前世の光景。


最前で、必死にペンライトを振ってたあの子。

遠征してまで来てくれてた古参。

認知したとき、泣きそうな顔してた——あの子。


(……ああいうの、嫌いじゃなかったな)


一瞬だけ、胸がきゅっとなる。


でもすぐに振り払う。


——今は、この世界。


だったらやることは一つ。


「まずはコラボ相手よね」


思わず口に出すと、隣に控えていた侍女が首を傾げた。


「こらぼ……でございますか?」


「ああ、ごめんなさい。ええと……有名な方と関わるにはどうしたらいいかしら?」


言い換えると、侍女は納得したように頷いた。


「有名な方ですか?お嬢様も公爵令嬢であり、第三王子の婚約者ですので、十分に名の知れた存在かと」


「それは“肩書き”でしょ。欲しいのは“人気”よ」


きっぱりと言い切る。


侍女は少し驚いたように目を瞬かせた。


「人気……でございますか」


「ええ。人が集まる理由。見たいと思わせる力。……そういうの」


そう呟きながら、私はふっと笑う。


——作れるわよ。


ゼロからだって。


だって私は、“そうやって生きてきた”。


「有名な方となりますと……第一王子の婚約者であるグロース様などいかがでしょう。来月の舞踏会にご出席されると伺っております」


へえ、と私は目を細めた。


同じく王子の婚約者。


(いいじゃない)


「その舞踏会、もちろん出るわよね?」


「はい、既にご予定に」


「なら決まりね」


私はドレスの裾を軽くつまんで、くるりと回る。


——初ステージは、舞踏会。




「見せてあげるわ。“悪役令嬢フォーレスト”のデビューライブを」





最後までお読みいただきありがとうございます!!




少しでも、




「面白い!!!」




と思っていただけましたら、




広告の下↓にある【☆☆☆☆☆】をタップして、




【★★★★★】にしてくださると嬉しいです!




その応援が制作の励みになります!!


よろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ