大ほのかちゃんがちっちゃかった(?)頃の話2
ほのかちゃんは大可愛い大女の子です。
そして、それとは関係なく、それは昔のお話なのです。
とある一人の女の子に集まる男子たち。
「にゃーん! にゃーん!」
「ぎゃははw にゃーん! にゃーん!」
「にゃーん、ちゃーあんw」
「ぶふうふうふっふうふwwww」
複数の小学生の男の子たちが一人の女の子をからかいイジメるのだ。だってその子もなかなかの可愛らしい女の子だったから。
「黙れー!!」
だが、イジメれる少女も黙ってない!
なぜなら彼女は!
「男子、黙れ!! この『名』は脳みそつるつるパッパラパーがつけた『あだ名』! ゆえに!」
「!!!???」
「我! 『にゃーん』にあらず!!」
「!!??」
「違うからね?」
「じゃ、誰だよwwwwww」
大笑いの男子たち。
彼女の名は「鈴木猫音」
猫音とかいて「ニャーン」と読む立派なキラキラネームでした。キラキラすぎて名づけ親の脳みそがつるつるピカピカネーム。
「ぬぬんうううぬぬうぬぬ……」
反論できなくて困るネコネちゃん。
「にゃーん!」
「ニャーン!w」
「にゃん、ニャーン」
「ニャーン!」
「ニャーンぅw」
大合唱が始まった。
「待てぃえぃえぃ!」
その時、現れしその勇者。
それは!
「ほのかちゃん!!」
廊下から教室に乱入してきた者、それは大ほのかちゃんでした。
「なんで鈴木さんをイジメるの?」
「えー? 別にイジメてねーし」
「本当のこと、言ってるだけだしーぃ!!」
「フヒャャハハハwww」
「とぼけないで!!」
「コイツ、知ってるーぅ? 三年生のころ『きょしんへー』って言われてたんだぜぇ」
「なにそれw『きょしんへー』なにそれw」
「馬鹿バーカぁ! デカ女ーぁ!」
「デっカ女ーぁwwwwwww」
「バーカ・バーカ・デっか女ーwwwww」
その反応をもって、大ほのかちゃん。
「フンガー!!」
完全にぶち切れっちゃった!! てへ!?
おっとりした目元が完全に吊り上がり、頭から湯気みたいなものがシュポシュポ吹きだしてします。
それは大ほのかちゃんの「大化」でした。
「悪ぃぃい子は極刑……絞首刑だぁあああああああ!!!」
「!?」
「??」
「???」
三角に目を吊り上げグレート化した大ほのかちゃん、目前の男子の頭二つ、左右両手にそれぞれ鷲づかみ!!
そのまま持ち上げ、宙づりにしました!
「ぎおばへびおばああああ!!」
「キャッカごおおべべべべばあ!!」
男子たちの断末魔。
この状況、完全にハングアップ状態。
絞首刑の罪人そのものの姿。
やがて二人は『だらり』と全身を弛緩させる。
「アァっ、アァぁぁぁ……」
残されたもう一人の男子、小便もらしながら腰を落とし、ガクガク震えながら後に退いた。
「……」
そして、大ほのかちゃん、動かなくなったその二つを『ドサリ』と足元に放り捨てた。
「……」
静まりかえった教室。
「ぃやぁあああああああああ」
いきなり誰かの女子の悲鳴がこだました。
「せ、先生呼んでくる……」
「死んだ?」
「え、死んだ……」
「ええ!?」
教室の時間が動き始める。
大ほのかちゃんは、ちっちゃくない女の子。
それは大人サイズの女の子。
決して怒らせてはならない女の子。
まさに地獄の門が開いた瞬間でした。
その後。
救急車が学校に到着。男子二名を運んでいきました。
そして……
翌日、首にギプスをはめた男子がふたり。教室の席に座ります。
それは昨日のことだったはずなのに、いまだに涙目で無言でした。
そして、大ほのかちゃん。
登校してるはずなのに、姿が見えません。
数日後、校舎の端にある普段使われない不思議な小教室にいることが判明しました。
ネコネちゃんは早朝、その部屋に知らない大人たちと入っていく大ほのかちゃんを見つけました。
「大丈夫だよ。心配ないからね」
と優しいほほ笑みを浮かべて入室する大ほのかちゃん。
それを見てるだけしかできなかったネコネちゃん。
子供の彼女にはよくわからなかったけど、自分のせいでほのかちゃんが大変な事態になっていることは理解できました。(いや、まぁ同人誌的なんじゃなくてカウンセリングなんだけどね。質問とか会話が記録される。あと勉強もここでする)
(わ、私が! 強くなんないと!!)
そして……
「にゃーん」
「にゃーん! にゃんにゃんにゃー!」
「あははwww」
「フザケンナー!!」
『!?』
「お前ら! あっちイケー!!」
ネコネちゃん、男子を突き飛ばしました。
(私が強くなんないと、また、ほのかちゃんがぁあああああああ!!)
そんな思いで男子たちを自分で成敗するようになったネコネちゃんでした。
ネコネちゃんの覚醒!!