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やっぱりベリアルは世界一かわいいよね

「わたしも国に帰ったら、王様や家族達と『毎日幸せだね』って笑って暮らせるように頑張ります。畑を耕して野菜を作ってそれを使って料理して……皆で『おいしいね』って笑いたいです。あれ? これじゃ何も頑張ってないかな?」


 マリーちゃんが恥ずかしそうに笑っているね。


「あはは。そんな事ないよ? 畑仕事はわたしもやるけど、肉体労働だし、魔素も祓われてこれからは害虫駆除も大変になるだろうしね」


「ペリドット様は王女殿下なのに畑仕事をしてるんですか!?」


「うん! 憧れているお姉さんがムキムキで優しくてかっこいいの! だから一緒に畑仕事ができて嬉しいんだよ」


「ペリドット様は……やっぱり素敵ですね」


「ん? わたしが素敵? そんなの言われた事がないよ」


 いつも、ど変態としか言われないからね。


「いつか……完全に身分制度が無くなったら……確かにまた違う問題が見えてくるんだろうけど……でも……こんな風にいろんな人達と仲良くなれたらきっと楽しいですよね」


「……うん。まだ何百年も先になるかもしれないけど……」


「ペリドット様?」


「うん?」


「ありがとうございます」


「え? 何が?」


「処刑を見に行った皆が暴れずに帰ってこられたのはペリドット様のおかげですから。もし暴動を起こしていたら二度と皆には会えませんでした」


「マリーちゃん……」


 ぐうぅぅぅぅぅ


 ……!?

 この超絶かわいいお腹の音は……

 やっぱりベリアルだ!

 火属性と水属性のジャックに魔力の使い方を教えていたんだね。

 頑張ったからお腹が空いたのかな?


「あはは。ヒヨコちゃんは限界みたいだね」


「うぅ……お腹空いたよぉ」


 ベリアルのつぶらな瞳がウルウルになっているね。


「じゃあ、そろそろ市場に行こうか」


「うんっ! えへへ。片っ端から全部食べるぞ!」


「あはは! クッキー屋さんのジャックが聞いたら大喜びだね」


「ジャックは根っからの商売人だからな」


「マリーちゃんとジャック達も一緒に行かない? 今日はクッキー屋さんのお手伝いをするの」


「え? そうなんですか?」


 マリーちゃんとジャック達が驚いているね。

 王女が平民相手に商売をするなんてあり得ないから……


「ぐふふ。ヒヨコちゃんに超絶かわいい服を着てもらって……ぐふふ。買ってくれたお客さんに握手券を配るの。ぐふふ。行列ができて、てんてこまいになるヒヨコちゃんも激かわだろうね。あのパンみたいな翼と握手……わたしもクッキーを買わないと……ぐふふ。買い占めてもいいよね。ぐふふ。ずっと翼を握っていられる……堪らないね」


「……ペリドット様……顔がすごくにやけてますよ?」


 マリーちゃんが怯えているけど……

 興奮がとまらないよ。

 ベリアルとの握手券はわたしの物だよっ!

 ……でも、ここは我慢しないとね。

 わたしはベリアルとの握手会を円滑に進められるように『はがし』になるんだよ。


「握手券なんて作らせないからな! この変態めっ!」


 ベリアルがプリプリ怒っているね。

 ふふふ。

 残念だね。

 ベリアルが寝ている間に握手券は完成しているんだよ!

 講義中に先生にバレないようにコツコツ百枚作っていたんだから!

 後でおばあちゃんに『遊んでいたな』って叱られるだろうけど、ベリアルの握手券を作れる喜びに比べたら……

 いや、やっぱり怖いかも。


 でも、人間達は日頃触れる事ができない超絶かわいいベリアルと握手できるチャンスなんだよ!

 このパンみたいなフワフワの翼に触れたら興奮して今夜は眠れないだろうねっ!


「怒るヒヨコちゃんも激かわだね。あぁ……ちょっともう一回変態って罵ってみてよ。なんか気持ちいいよ」


「……!? うわあぁぁぁん! ど変態がいるよお!」


「泣き叫ぶヒヨコちゃんも激かわだねっ!」


「うわあぁぁぁん! 全部オレがかわい過ぎるせいなのかぁぁぁあ!?」


「ぐふふ。自意識過剰なヒヨコちゃんも堪らないね……」


「うわあぁぁぁあん! 自意識過剰じゃなくて本当にかわいいんだもんっ!」


「ぐふふ。自分のかわいさを疑わないヒヨコちゃんも激かわだね」


「うわあぁぁぁあん!」


 このままずっとベリアルと遊んでいたいけどクッキー屋さんのお手伝いをする時間になっちゃうからね。

 先生にその話をしたらベリアルに服を用意してくれるって言っていたよ。

 ぐふふ。

 どんな服なんだろうね。

 楽しみだよ……

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