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どうしてオレは変態ぺるみの事が好きなんだよ……

今回はベリアルが主役です。

「……? ゲイザー族って本当はどんな姿なんだ? かわいいのは、かわいいんだろうけど」


 触手が脇から数本ずつ生えているのは触って分かるけど……


「うーん。黒いモヤモヤした丸い顔で大きい瞳がひとつあって脇から触手が数本ずつ生えているよ」


「……? よく分からないけど……きっとキラキラのかわいい瞳なんだろうなっ! 絶対かわいいよっ!」


 見てみたいなぁ。

 守ってあげたくなるようなかわいさなんだろうなぁ。


「えへへ。オレも自分がすごくかわいいと思ってるよ」


「そっか。えへへ。どんな姿でもゴンザレスは大切な弟だからな。あ、もう午後の講義が始まっちゃう。ぺるみは……まだ寝てるな」


「疲れてるんだね」


「最近は色々あったからな。そろそろ起こさないと」


 ぺるみが寝ている木陰に飛んでいくと話しかける。


「ぺるみ、ぺるみ! もう起きないと……って……なんでオレの抱き枕を使ってるんだよ!?」


 貸した覚えはないぞ!


「ん……? あぁ……ヒヨコちゃんの匂いがして、よく眠れたよ」 


「はあ!? 汚れるだろ!? 返せよ!」


「んもう……大丈夫だよ。でも……やっぱり本物が一番だね。ぐふふ」 


 ぺるみがオレを抱き寄せた!?

 くっ!

 逃げないと吸われるっ!


「離せっ! 変態めっ!」 


「ぐふふ。かわいい。ぐふふ。かわいい」


 ぺるみが頬擦りしてきた!?

 音声がなければ、かわいいヒヨコをかわいい女の子がかわいがっているようにも見えるだろうけど……


「離せ!」


「ぐふふ。堪らないね。ちょっと……部位によって匂いが違うね……クンクン……ぐふふ。くちばしに近づくにつれて甘い匂いが強くなっていく。ぐふふ。ツインテールの間はどうかな? クンクン……」


「うわあぁぁぁん! 誰か助けてぇぇぇえ!」


 なんでオレはこんな、ど変態の事が好きなんだよ!

 もしかして、本当はオレも吸われるのが好きな変態なのか?

 オレは変態ヒヨコなのか!?

 まさか……あり得ないよ!

 オレはノーマルなヒヨコなんだからっ!

 

 それにしても……ぺるみはデメテルに似てかわいいよな。

 ぺるみが笑うと人間も魔族も見とれているし。

 そういえば、あとになってジャック達から聞いたんだけど、ぺるみのうちわを作った奴らの部屋で盗難騒ぎがあったらしいな。

 夜のうちに泥棒が入ってぺるみのうちわだけが盗まれたって……


 ……ハデスだな。

 全くあいつの嫉妬にも困ったもんだ。

 オレのうちわもあったのに、ぺるみのうちわだけがないなんてあり得ないだろ。

 アカデミーの平民は身分差別をしないぺるみを尊敬してるし、偉そうな侯爵家の奴をやっつけたりしたから侯爵家より下の地位の貴族にも好かれている。

 アカデミーに公爵家の貴族はアンジェリカだけだし、王族もココとレオンハルトしかいないみたいだしな。

 中には女のくせにでしゃばるなって言ってる奴もいるみたいだけど……

 ぺるみならそんな奴に何か言われても言い負かすだろう。


「ぐふふ。堪らないね。ツインテールの間はちょっと香ばしいよ。クンクン……」


 ……!?

 まだ嗅いでたのか!?

 本当にこいつは救いようがない奴だ……

 この、ど変態さえなければ綺麗で優しくて素敵な女の子なのに。

 あぁ……

 好きな女の子の鼻息が荒い姿なんて見たくないよ。

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