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これが子守唄って……なんか違くないか?

今回はベリアルが主役です。

「うぅ……ちょっと……ベリアル大丈夫?」


 ん?

 あれ?

 ぺるみ?

 顔色が悪い?


「オレ……どうしたんだ?」


「スウィートちゃんにもらったお菓子を全部食べたら寝ちゃったんだよ。……ゴンザレスはまだ寝ているよ?」


「……え? ここもまだ夢か?」


「ん? 寝ぼけているのかな? もうピクニックの時間だよ? 皆は先に行ったけどベリアルは行けそう?」


「まだ夢の中なんだ……」


「……? 怖い夢を見たんだね。おいで」


「ぺるみが優しく抱きしめてくれた……? でも、このまま吸われるんだな……またあの夢が続くんだ」


「……なんだ。怖い夢を見たのか? それならまた子守唄を歌ってやろう」


「え? 子守唄? ぺるみなのか? 話し方が違うぞ?」


「ラララァァア……ララララァァァイイアエェ……」


 ……!?

 なんだこの微妙にずれてる気持ち悪い歌は……


「いい夢が見られるようにさっきも子守唄を歌ってたんだ。楽しい夢は見られたか?」


「……? もしかしてオケアノス!?」


 オケアノスの子守唄のせいで変な夢を見てたんじゃないだろうな!?

 でも善意でやってくれてるみたいだし……


「ベリアル……もう一度歌ってやろうか?」


「……大丈夫だよ! しっかり目が覚めたから……あはは。……えっと……お腹空いた……ピクニックに行こう」


 子守唄だけは阻止しないと!


「……そうか? 歌が必要になったらすぐに言ってくれ。よし。ペルセポネと代わるか」


「え? いつの間にかぺるみと好きな時に交代できるようになったのか?」


「ああ。そうだ。またな、ベリアル」


「……うん」


 オケアノスは世界を滅ぼそうとしてたんじゃないのか?

 思ってたのと違うんだけど……

 ぺるみが言ってたみたいに本当に諦めたのか?


「……うぅ……ベリアル……」


「……!? ぺるみ!? どうしたんだ!?」


「オケアノスが……」


「オケアノス? まさか何かされたのか?」


「子守唄を……うぅ……」


「……! ぺるみもあの歌を……」


「なぜかわたしの代わりに身体を使う時に歌うようになって……黒板をキィーってされたくらい気持ち悪いよ……うぅ……」


「ぺるみ……オレは子守唄のせいで悪夢を見たんだ」


「……うさちゃんが古代の闇の力で寝かせる時はいい夢を見るらしいけど……似ているようで方向性が全然違うよ……」


「でも悪意は無さそうだからな……かわいそうでオケアノスには言えないよ。あ、今の話は聞いてないのか?」


「……気分良く歌い終わってぐっすり寝ているみたいだね」


「なんて迷惑な……ってそんな事を言ったらダメだよな」


「「何とかして子守唄を阻止しないと」」


 ぺるみと声が重なったな……

 オケアノスは世界を滅ぼすつもりがなくなったらしいけどこのままだとオレ達の耳がもたない……

 いつもぺるみが言ってるアレだな。

 ひとつ乗り越えると新たな壁が見えてくるってやつだ。


 でも……

 良かった。

 これで誰もぺるみを殺さなくて済むんだ。

 本当に良かった……

 

 ……ん?

 ぺるみがオレの後頭部に吸いついている?

 まさか……

 ここも夢の中なのか?


「大丈夫。夢じゃないよ」


 ん?


「ゴンザレス?」


「ぺるみ様はいつも変態だから」


「……え? あ、確かに……」


 ゴンザレスってこんなにちゃんと話せたんだな。

 

「ちょっと……また普通に悪口を言うんだから……」


 ぺるみがオレを吸いながらゴンザレスと話している?


「えへへ。ハデス様には内緒ですよ?」


「あはは。もう、ゴンザレスはかわいいね」


 ぺるみとゴンザレスってこんなに仲良しだったのか?

 知らなかった。


「さて、じゃあピクニックに行こうか。ベリアルとゴンザレスはしっかり抱っこされていてね? 窓から降りるから」


「ぺるみ……階段を使うっていう頭はないのか?」


 ハデスに育てられたから感覚がおかしいんだよな。


「だって面倒なんだもん。窓からなら一瞬で降りられるんだよ? よし! しっかり掴まっていてね?」


 ぺるみはいつも通りだ。

 どうやらここは夢の中じゃなさそうだな。

 はぁ……

 良かった。

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