夢の中で目が覚めてもまだ夢の中ってあるよね
今回はベリアルが主役です。
ジタバタして、なんとか坊っちゃんから逃げ出すとココの腕に飛び込む。
「うぅ……ココ……怖かったよぉ」
「あはは。ヒヨコ様は怖がりですね。安心してください。しっかり吸ってあげますからね」
……!?
なんだって!?
ココまで変態に!?
もうダメだ……
あのココが変態になったのならもうアンジェリカもレオンハルトも……
もうこのアカデミーにノーマルな奴はいないんだ!
「あ、ヒヨコちゃんみーつけた!」
……!?
ぺるみ!?
「ヒヨコ様……もう一度吸わせてください」
前の席のジャック!?
「ヒヨコ様」
「ヒヨコ様」
「ヒヨコ様」
「ヒヨコ様」
ぺるみとクラスの皆とココに囲まれた!?
もうダメだ……
オレは脳みそが無くなるまで吸われ続けるんだ……
うぅ……
もう……ダメ……
「ヒヨコちゃん? ヒヨコちゃん? 大丈夫? 起きて?」
ん?
ぺるみの声……?
「あれ? オレは……?」
ココのクラスにいたはずなのに、いつの間にかぺるみのクラスにいる?
「ふふ。もうお昼だよ? ずっと気持ち良さそうに寝ていたんだよ? ゴンザレスはまだ寝ているね」
「え? 夢……? はぁ……良かった。夢だったのか」
「ふふ。寝言を言っていたよ?」
「ん? 寝言を?」
「うん。『抱っこしてくれ。ずっとずっと抱っこしてくれ』って」
「え? そんな事を言ってたのか?」
「ぐふふ。そんなに抱っこして欲しいならわたしがしてあげるね!」
「え!? 嫌だよ!」
「ぐふふ。『そしてぺるみはヒヨコちゃんの後頭部に吸いついた』」
「……!? お前……どうしてそのセリフを!?」
「ぐふふ。ぐふふふ」
「うわあぁぁぁぁあああ!」
「っていう夢を見たんだ」
怖かった……
目が覚めたらアカデミーのクラスルームだったからまた繰り返すのかと思った……
「……え? あはは! ずっとループしていたんだね」
このぺるみは夢じゃないよな?
ぺるみはいつも変態だから見分けがつかないんだ。
「ぺるみは本物のぺるみか?」
「ふふ。怖かったんだね。もう大丈夫だよ?」
「はぁ……夢で良かった。アカデミーの皆が変態になってたんだ」
「そっか……ところで……ヒヨコちゃん?」
「ん? なんだ?」
「『そしてぺるみはヒヨコちゃんの後頭部に吸いついた』」
「……!? お前……まさか……ここも夢の中なのか!?」
「あはは! そうだよ! ヒヨコちゃんは永遠に夢から出られないんだよ!」
「……そんな。オレは……このままずっと夢の中で過ごすのか?」
「あはは! あははは! ヒヨコちゃん……ずっとずーっと一緒だよ」
「うぅ……誰か……助けてくれー!」
怖いよぉ!




