いつの間にか皆変態になっちゃったのか?
今回はベリアルが主役です。
「いつも通り穏やかにアカデミーで過ごすとピクニックの時間になった」
……?
ぺるみが独り言を?
いきなりどうしたんだ?
「そしてぺるみはヒヨコちゃんの後頭部に吸いついた」
「……!? お前っ!? いきなり吸いつくなよ! 本当に変態だな!」
「えへへ。だって後頭部がかわいいんだもん。あ、もちろん前から見ても激かわだけどね!」
「……付き合いきれないな」
「うわあぁ! いいなぁ。オレにもやらせてください。『そしてジャックはヒヨコ様の後頭部に吸いついた』くぅぅ! 堪りませんね! 甘い匂いだぁ」
前の席のジャック……
日に日に変態度が増していっている……
「ああ! いいな! オレにもやらせてくださいよ!」
「わたくしも! わたくしも!」
先生まで……
もうこのクラスは皆変態になったんだ……
あ、でもアメリアはしっかりしているから……
「『そしてアメリアはヒヨコ様の後頭部に吸いついた』うふふ。本当に甘い香りですね」
アメリア!?
お前までそっち側に堕ちたのか……
くっ!
誰か一人くらいまともな奴はいないのか!?
誰もいない……
このクラスの奴らは皆変態になっちゃったんだ!
うぅ……
もしかしたらこのアカデミーにいる全員が変態に……
違う。
ココとアンジェリカとレオンハルトはまだ変態になっていないはずだ!
マクスはバカだからどうでもいいや。
「オレ……ピクニックにココ達を誘ってくる!」
よし。
上手く逃げたぞ!
ココ達にずっと抱っこしてもらえば吸われずに済む。
オレって賢いよな。
えへへ。
それにしてもなかなか前に進まないな。
パンみたいな翼だからかな?
……うーん。
空間移動した方が早いけど……
あれは人間には眩しいからな。
「あれ? ヒヨコ様?」
ん?
この声は……
「坊っちゃん!」
ちょうどいい所で会ったな。
「ヒヨコ様? お一人ですか? あれ? ペリドット様は?」
「ココ達をピクニックに誘いに来たんだ」
「え? お一人でですか? うわあぁ! 偉いです! すごいです! 素敵です!」
「そうだろ? えへへ。オレは偉くてすごいんだ! でも全然前に進めないんだ」
「あはは。それなら抱っこしましょうか?」
「え? いいのか?」
「もちろんです」
えへへ。
飛ばなくていいから楽だな。
「あ、いましたよ? 王妹殿下。ヒヨコ様がお呼びですよ?」
「ヒヨコ様が?」
ココがいたな。
良かった。
ココが一緒にピクニックに行けばぺるみ達に吸われずに済むぞ。
「ココ! 抱っこしてくれ! ずっとずっと抱っこしてくれ!」
ココの腕に飛び込もうとすると坊っちゃんがしっかり抱っこして離してくれない?
「あはは。ヒヨコ様……くぅぅ! 堪らない……甘い香りだ」
……!?
まさか坊っちゃんまで変態に!?




