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おばあ様も相変わらずだね

「……ぺるみ様。おばあ様に会っていかれてはどうですか?」


 ベリス王の言う通りだね。

 でも、もう時間も遅いし。

 いや、待てよ?

 おじいちゃまがおばあ様に殴られたら……

 クマポイを一撃で倒したおばあ様が本気で殴ったら……

 確実に死ぬよ!

 あれはかなり痛かったって熊太郎も言っていたし。


「大変だ! おじいちゃまのあとを追いかけないと!」


「ぺるみ様も大変ですねぇ」


「お母様! おじいちゃまの事も守ってくださいっ! よし。おじいちゃまは、あっちに走っていったよね?」


 あれ?

 もう姿が見えないよ?

 ん?

 この建物から大声が聞こえてくる……


「うわあぁ! ごめんなさいぃぃ!」


 ……おじいちゃまは、まだ生きているみたいだね。

 ここは前に来た事がある建物だ。

 確か入り口はこっちにあったはず……


 勝手入っていいかな?

 入り口に誰もいないよ。


「ごめんなさいではないでしょう!? 縛りつけて無理矢理譲位させましょう!」


「カサブランカちゃん!? それは……うわあぁ! 縛らないでぇ!」


「黙らっしゃい!」


「うわあぁ!」


 これは大変な事になっているよ。

 部屋の中を覗くとおじいちゃまとおばあ様の他にも、いつものおじいさんとおばあさん達がいるね。


「……おばあ様」


 突然来て迷惑だったかな?


「……!? ペリドットちゃん!?」


「お母様のお墓に来たらおじいちゃまが……」


 逃げてきていたなんて言ったら余計に怒らせちゃうよね。


「そうだったの。お墓に……さあさあ。お茶にしましょう。あら? そちらは?」


「あぁ……えっと……」


 ベリス王は人間相手に商売をしているから魔族だって言わない方がいいのかな?


「はじめまして。わたしはぺるみ様と商売をさせていただいております商人です」


 おぉ……

 まあ、嘘ではないけど……


「そうでしたか。商売を……」


「はい。この度、アルストロメリア王国と商売をする事になりまして、その橋渡しをぺるみ様にしていただいたのです」


「そうでしたか」


「ぺるみ様がお母上の墓前に来たいと……」


「まさか……ペリドットちゃんは公開処刑を……」


 おばあ様も公開処刑を知っていたんだね。

 お兄様の事を話しても大丈夫かな?


「……うん。あのね? お兄様が……」


「ヘリオスが? どうかしたの?」


「平民の皆が……処刑にかなり高揚していて……お兄様はその姿をバルコニーから見ていて……かなり辛かったはずだよ? 弱い存在だと思っていた平民があんな風に豹変して……」


「……そう。王になるという事は……心を捨てなければならない時もあるの。優しいだけでは王にはなれないのよ? それは分かるかしら? もし平民が暴走したらヘリオスは兵を出さなければならないの。……平民は暴れたの?」


「ううん。処刑が終わったらすぐに帰ったよ」


 相談役が『大切な家族が待つ家に帰ろう』って言ってくれたおかげだね。


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