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ベリアルの等身大のチョコレートなんて……堪らないね

「島での暮らしには慣れた?」


「はい。家具や畑をガイア様が運んでくださったので今までと変わらず暮らせています。畑を外に作り直したので大きな畑にする事ができて。今はさつまいもをたくさん育てています」


 お花ちゃんが笑顔で教えてくれたね。

 さつまいもか。

 おばあちゃんの大好物だよ。


「おばあちゃんは焼きいもが好きだから喜ぶだろうね」


「はい。ガイア様にはお世話になりっぱなしで……これからは、少しずつお返しできればと思っています」


「それでさつまいもを植えたんだね」


「はい。あ、そういえば……」


「ん? どうかした?」


「はい。他にガイア様のお好きな物はありますか? できれば畑で育てられる物がよいのですが」


「うーん。そうだなぁ。おばあちゃんは好き嫌いが無いから何でも喜んでくれると思うけど。あ、そうだ。スイカ! スイカが大好きだよ?」


「スイカ? 聞いた事がありませんね。野菜でしょうか?」


「そっか。この世界には無いのかな? うーん。あとは……カボチャとかトマトも好きだよ? それから、えっと……」


 いっぱいあり過ぎて……何から話そうかな?


「ふふ。ペルセポネ様はガイア様の事が大好きなのですね」


「え?」


「見ていれば分かります。わたしも……これから孵る子とこんな関係になれたら嬉しいです」


「えへへ。おばあちゃんは群馬にいた頃からずっとずっと大切な家族なの」


「ふふ。とても素敵な関係なのですね」


「わたしね? ずっとおばあちゃんに守られていたの。だから……これからはいっぱいお返ししたいんだ」


「わたし達と同じですね」


「うん。そうだね」


「もしよろしければ一緒にガイア様の喜ぶ事をしませんか?」


「そうだね! すごく素敵だよ」


「よし! オレも手伝う!」


 ベリアルは話を聞いていたんだね。

 ……さらにチョコレートまみれになっているよ。

 ベリアルがフォンデュされたみたいに見えるね。

 ベリアルフォンデュ……

 ぐふふ。

 堪らないね……

 でもここは冷静にならないとまた嫌われちゃうよ。


「お風呂に入って、せっけんでよく洗わないとチョコレートがいっぱいついているよ?」


 こんな感じなら嫌われないかな?


「ん? 確かにそうだな。うーん。落ちるかな?」


 くぅぅ!

 首を傾げるヒヨコちゃんが激かわだよ!

 やっぱりチョコレートを固めてヒヨコちゃんの形のチョコレートを作るのもいいね。


「……ぐふふ」


「……!? お前……今何を想像したんだ? すごく気持ち悪く笑ってるぞ?」


「え? 気持ち悪いって失礼だね。ただ、わたしはチョコレートを固めてヒヨコちゃんの形のチョコレートを作ろうかと思っただけだよ? それを永遠に腐らなくしてもらってずっとずっと宝物にするの! ぐふふ。これでいつでも超絶かわいいベリアルのチョコレートを眺められるよっ!」


「……気持ち悪っ。ばあちゃん! お風呂に入りたいよ! ちょっと熱めがいいな」


 え?

 おばあちゃんがいつの間にか帰ってきているね。


「ははは。ベリアルは甘えん坊だなぁ。よしよし。お風呂にしようなぁ」


 いつも通りのおばあちゃんだ。

 でも、どうして容姿が違う天族が産まれてくるのかは、おばあちゃんにも分からないんだよね。

 バニラちゃんとオケアノスは答えに近づいたみたいだと言ってはいたけど……

 何が真実か分からないなら答えが出たとしてもそれが正解かすら誰にも分からないんだろうね。

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