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サプライズパーティーが始まる(7)

「誰かいないかな? ドロドロで禁断の恋の話がある人……」 


 早くあの三人を助けてあげないと。

 

「魔族は恋愛に関してはドロドロになる事はありませんので、天族の方が詳しいかと……」


 イフリート王の言う通りだね。

 魔族はそういうのは、きちんとしているからね。


「……お父様が適任だと思うけど、そんな話をヘラに聞かれたら命が危ないからね」


「ヘラ様とは確か神の正妻でしたね」


「うん。お母様の妹なの」


「……『お母上である女神』と、『お父上である神』の『娘』がぺるみ様で、『叔母が父親の正妻』で『叔父が夫』……父親は浮気性でいつも火干しされている……その話もかなりドロドロしているような……」


「そうだね。確かに天族は身内で結婚する事があるからね」


「魔族では、なかなかそのような話は聞きませんので……」


「人間でも聞かないね。近親婚は禁止されているし」


「もうお赦しくださいぃぃ! 我々魔族はドロドロの恋愛などした事がありませんんん!」


 あぁ……

 ヴォジャノーイ王が泣きながら赦してもらおうとしているね。


「やれやれ。仕方ありませんね。では、わたしの知るドロドロとした人間の話を聞かせましょう」


 ベリス王?

 人間のドロドロした恋の話を知っているの?

 どんな話なんだろう?

 ワクワクしちゃうよ!


「ですが、その前に……あのヒヨコをなんとかした方が良いかと……」


 ん?

 ヒヨコ?

 ベリアルの事かな?

 

「うまぁぁぁあい!」


 え?

 ケーキのヒヨコちゃんが動いている!?

 いや……違う。

 ベリアルがケーキに乗って食べているんだ。


「初めはケーキのヒヨコを少し離れてじっと見ていたのですが、近くで見ようと土台のケーキによじ登った時にケーキに足がはまって転び、そのまま食べ始めました」


 ベリス王が淡々と話しているね。

 くぅぅ!

 ベリアルは最高にかわいいねっ!

 堪らないよ!


「あははは! ベリアルは旨そうになってるなぁ」


 おばあちゃんの言う通りだね。

 食べちゃいたいくらいかわいいよ!


「ばあちゃん! これ旨いよ! 最高だ!」


 ベリアルのつぶらな瞳がキラキラに輝いている。

 かわい過ぎるよ!

 また作ってあげたくなっちゃうよ。


「あははは! そうか、そうか。食べ終わったら風呂に入ろうなぁ」


「うん! うまあぁぁい!」


 あぁ……

 なんてかわいいの!?

 わたしの息子は世界一かわいいヒヨコちゃんだよ!

 ……その隣で裸踊りをしている吉田のおじいちゃんには誰も触れないんだね。

 魔族の皆も、吉田のおじいちゃんはああいう人だって理解したんだろうね。

 ベリアルよりも、あのおじいちゃんこそなんとかした方が良さそうだけど。

 満足そうにご機嫌で踊っているね。

 まぁふんどしを着けているし、好きに踊らせておこう。

 

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