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タルタロスに行きたいの

「あの……さ。わたしも……タルタロスに行けたりするのかな?」


 クロノスおじい様に会いに行かないと。


「……ペルセポネ……行きたいのか?」


 ハデスが悲しそうな顔をしている?

 そういえばコットス達はタルタロスの番人なのに冥界にいても大丈夫なのかな?


「ハデス……? 何かあったの?」


「あぁ……実は……父の独房が開いたのだ」


「え? そういえば今朝うさちゃんが言っていたよね」


「まさか古代の闇の力で開くとは……というよりは壁を腐食させたようになっていたのだがな」


「……それって?」


「これからはタルタロス内ならにコットス達の許可を得れば散策できるようになった」


「……! そうなんだね。良かった」

 

「……ペルセポネは……それを悪い事だとは思わないのか?」


「……何千年もずっと独房に閉じ込められていたんでしょう? ハデスの大切なお父さんで、わたしにとってはおじい様なんだよ?」


「ペルセポネ……」


「でも……何かあったの? 深刻な顔をしているけど……」


「独房から出たがらなくてな……」


「……どうして?」


「……思う事があるのだろう」


「……過去の出来事を……悔いているから?」


「……何も話してくれなくてな」


「わたしが……話しに行ったらダメかな?」


「ペルセポネが……か?」


「うん。話したい事もあるし……」


「話したい事……?」


「ダメかな?」


「危険な事は無いとは思うが……」


「そういえばコットス達はどうして冥界に来ているの? 三人が交代で番人をしているんだよね?」


「今タルタロスにいる罪人で独房の扉が開かなかったのは父だけなのだ。扉自体存在しなくてな。他の罪人の独房には扉があって時々外に出る時間を与えていた。だが父のいる独房だけは壊そうとしても無理だったのだ。だが今朝穴ができて……我らがいるから外に出たくないのかと思い一旦冥界に来たのだ。タルタロスから冥界への出入口は一ヶ所だけだから脱走の心配も無いしな」


「……そう。おじい様は独房から出たのかな?」


「……たぶん……出てはいないだろうな」


「ハデス……わたしを一人で行かせてくれないかな?」


「一人で? 危険は無いだろうが……心配だ」


 危険は無い……か。

 ハデスはおじい様を信頼しているんだね。


「大丈夫。おじい様と二人で話してくるよ」


「他の罪人の扉には鍵がかかっているからな。独房の場所は行けばすぐに分かるはずだ」


「……うん。うさちゃんはハデス達と待っていてね?」


「……シカタナイナ」


 こうしてタルタロスに向かう事になったんだけど……

 道が分からないからハデスが途中まで案内してくれる事になったんだ。

 へぇ。

 冥王城の中から行くんだね。

 あれ?

 でもコットス達はどうやってお城に入れたんだろう?

 かなり大きいから無理なんじゃないかな?

 ……え?

 通路の真ん中に扉が現れた?

 さっきまでは無かったよね?


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