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うさちゃんが危険な状態かもしれないんだからしっかりしないといけないのに……

「ねぇ、うさちゃん? この手紙……誰がうさちゃんのお腹の下に隠したの?」


 ずっと寝ていたから見ていなかったかな?


「……シアワセノシマニ、イクマエノ、ベリスオウダ」


 やっぱりベリス王だったんだね。


「うさちゃん……何か知っているの?」


「……ベリスオウガ……ツブヤイタ。カナラズ、タスケル……ト」


「……え?」


 確かにこの手紙にはうさちゃんの魔法石が砕けそうになっているって書いてあるけど……

 うさちゃんには手紙を見せない方がいいのかな?

 でも信頼できる協力者を探せって……

 何の協力者?

 おばあちゃんを信用するなっていう事?

 じゃあ、おばあちゃんに近いバニラちゃんも吉田のおじいちゃんも信じたらダメなのかな?

 うーん。

 何も分からないよ。

 おばあちゃんに心を聞かれる人には話せないし……

 ゲイザー族長なら……

 でも、おばあちゃんに怯えているし。

 ……!

 そうだよ。

 ゲイザー族長はおばあちゃんを怖がっているよね?

 おばあちゃんよりも完璧に心を聞く力を使いこなしているのにどうして?


 ハデスに話してみる?

 でも、ハデスが考えている事は簡単に聞かれているみたいだし……


 ……誰もいない。

 協力者なんて見つからないよ。

 それにこの手紙の内容が事実だとすれば、おばあちゃんはうさちゃんの魔法石が砕けるのを望んでいるみたいだよね。

 ……うさちゃんの魔法石が砕けたらどうなるんだろう?

 まさか……死……?

 そんな……

 でも、誰に訊いたらそれが分かるの?

 誰にだったらおばあちゃんにバレないように相談できるの?

 何も分からないよ。

 頭が混乱して何も考えられない。

 だっておばあちゃんはいつもわたしの味方で、今だってチョコレートフォンデュを持たせてくれて……

 こんなの、優しいおばあちゃんを疑うみたいで嫌だよ。 


「ペルセポネ……?」


 うさちゃんが心配そうにわたしを見つめているね。


「あ……うん?」


「ダイジョウブカ?」


「……うん」


 もしかしたらうさちゃんが大変な状況かもしれないのに……

 このままじゃダメだ!

 でも何も分からな過ぎてどうしたらいいか分からないよ。 


「ペルセポネ……来ていたのか」


 ……ハデス?

 と……コットス?

 他にも二人いるね。

 確かコットスは三つ子だったんだよね?


「うん。二人は、はじめましてだね。わたしはペルセポネだよ? コットスから聞いているかな?」


「ああ。聞いている。オレはブリアレオースだ。こっちは弟のギュエースだ。本当にオレ達を恐れないんだな」


「ふふ。皆すごくかわいいから怖くなんてないよ? ブリアレオース、ギュエース、これからよろしくね。おばあちゃんからチョコレートのお菓子をもらってきたの。皆で食べよう?」


「チョコレート……か。甘い物は好きだ。どれ早速……なるほど。これは旨いな」


「……」


 ギュエースはあまり話さないのかな?

 ずっと黙っているね。

 でもおいしそうに食べる姿がかわいいよ。

 コットス達になら相談しても平気かな?

 ……でも、やっとおばあちゃんと仲良くなれたのに邪魔するわけにはいかないし。

 あ……

 そうだよ。

 一人だけいる。

 あの人なら……

 タルタロスに数千年囚われているクロノスおじい様なら……

 でも、タルタロスにはどうやって行くのかな?

 確かすごく近くに入り口があるって言っていたけど……

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