オレにできる事ってなんだ? (2)
今回はベリアルが主役です。
「『テンカイノカミ』デサエ、アタマヲ、カカエル、モンダイヲ、オマエヒトリデ、カイケツ、デキルト、オモッテ、イルノカ?」
うさちゃんがソファーに寝転がりながら話している。
だらけているけど考え方はちゃんとしているんだよな。
「……それは……そうだけど……」
「ツヨク、ナリタイナラ、タンレン、スレバ、イイ」
「……鍛錬? うさちゃんは……ぺるみが心配じゃないのか?」
「ハデスノ、イウイトオリ、イザト、ナレバ、メイカイニ、イケバ、イイダケダ」
「冥界に?」
「ソレニ……オケアノスハ、ボウソウ、シナイ」
「……え?」
「チビヒヨコモ、オケアノス、カラ、ウマレタンダ。ソンナコトヲ、シナイノハ、ワカルダロウ?」
「……うさちゃん」
「ダイジョウブダ。スベテ、ペルセポネニ、マカセロ」
「うさちゃんはぺるみを信じてるんだな」
「トウゼンダ。ペルセポネヲ、アイシテ、イルカラナ」
「……愛……か。オレ……役に立てなくても……やっぱり……強くなりたいよ! 守られてばかりなんて嫌だから!」
「ソウカ。ソレナラ、マズハ、ハラノ、ニクヲ、ナクセ」
……!?
腹の肉!?
「オレ……創り物の身体だから肉とか減らせないと思うんだけど……」
「キアイダ」
「え? 気合い?」
「ソノ、ヤルキノナイ、ウデニ、キンニクヲ、ツケテ、フッキンヲ、ワレ」
「いや、だから、創り物の身体だから無理なんだって!」
「何だ? 腹筋を割りたいのか?」
……!?
人魚!?
いつの間に来たんだ?
さすがハデスに鍛錬されただけの事はあるな。
全然気配を感じなかったぞ。
「……うん。て言うより神力を使いこなしたいんだ。オレ……ヒヨコの身体になってから火の力を上手く使えなくて」
「それならまずは体力作りだな!」
「え? 体力作り?」
「そうだ! すぐバテてたら神力も上手く使えないだろ?」
「……それもそうだな。よし! じゃあまず……走るか? それとも縄跳びとか?」
「ははは! ベリアル見てみろ! 目の前は透き通る海だぞ!」
「ん? 確かに綺麗な海だよな」
「では、始めようか」
「え? 何を?」
「ははは! 簡単だ! まずは魔王の島まで泳いで、次は幸せの島、次に我ら人魚の島まで行って第三地区まで帰ってくるんだ!」
「はあ!? 海には波があるんだぞ!? しかもこの辺りは魚族でさえ泳ぐのが大変な場所なのに……無理だよ!」
「やる前から諦めていたら何も始まらないぞ?」
「それは……そうだけど……」
「よし! 始めるぞ! 共に泳いでやろう」
「え? 一緒に泳いでくれるのか?」
「もちろんだ! 行くぞ!」
「うぅ……やっぱり朝は海水が冷たいよな……あれ? そういえば……オレって泳げるのか? 今はヒヨコだぞ?」
足だけ入れてみるか……
……!
冷たい……
でも……
オレはぺるみを守る為に強くなりたいんだ!
よし!
入るぞ!
……!?
あれ?
身体が沈むぞ!?
オレは水鳥じゃないから浮かべないのか?
パンみたいな翼を動かしても浮かべない……
ダメだ……
溺れる……
こんな浅い所なのに……




