オレにできる事ってなんだ? (1)
今回はベリアルが主役です。
やれやれ。
ぺるみに朝からがっつり吸われてフラフラしてたけどチョコレートを食べたら元気になったぞ。
今日は、ぺるみのアカデミーに付いて行かない事になったからな。
オレには、やらないといけない事があるんだ!
「……ナンダ。チビヒヨコハ、ナニカ、スルノカ?」
……うさちゃんはベリス王からもらったソファーから一歩も動かないな。
こんなに、ぐうたらしていてもいいのか?
だらけ過ぎだろ。
「オレは強くなりたいんだ!」
「ン? ソファーノ、コノアタリハ、スコシ、カタメダナ」
……うさちゃんの頭の中はソファーでいっぱいみたいだな。
オレの話を全然聞いてないよ。
「とにかく! オレは火の力を前の身体の時みたいに使いこなしたいんだ!」
「コノ、クッションハ、アツミガ、アリスギルナ。アトデ、オークニ、ツブサセヨウ」
……うさちゃんは、もうダメだな。
ソファーとクッションの事しか考えられないみたいだ。
火の力を暴走させないように使うにはどうしたらいいんだろう。
たぶんだけど、このヒヨコの身体がオレの神力に馴染んでないんだろうな。
でも天族の身体に戻りたくはないし……
やっぱり鍛錬するしかないか。
ぺるみを守る為には強くならないといけないんだ。
いつかぺるみの中のオケアノスが暴走したらオレがとめるんだ。
ずっと守ってもらっているのにオレは何も返せてないから。
今度こそオレがぺるみを守るんだ!
「うーん……でも……どうすればぺるみを守れるくらい強くなれるんだ?」
「……チビヒヨコ……ペルセポネヲ、マモリ、タイノカ?」
うさちゃんはぺるみが絡むと興味が湧くみたいだな。
「うん。昨日の話……聞いてただろ? もしぺるみの中のオケアノスが暴走したら……ぺるみを……」
殺さなきゃいけなくなるかも……
でも……そんなのは絶対にダメだ!
皆だって反対してたし……
そういえばハデスが、冥界ならぺるみの暴走をとめられるって言ってたよな?
あれって……?
じゃあぺるみはずっと冥界にいたらいいんじゃないか?
でもそうなったらぺるみは大好きな第三地区の皆や魔族やルゥのばあちゃん達に会えなくなるんだよな……
そんなのダメだよ。
はぁ……
オレは……
いつもダメダメで……だから……今度こそぺるみの役に立ちたいんだ!
でも……でも……オレが火の力を使いこなしたところでぺるみを救えるのか?
ぺるみはルゥの時点でオレより強かったんだぞ?
ペルセポネ様の身体に戻ったんだからもっと強くなったはずだし。
じゃあオレが強くなったところで何の役にも立たないんじゃないか?
「……ナニヲ、カンガエテ、イル?」
「……オレが強くなったところで……ぺるみを助けられないんじゃないかな」
「……マア、ソウダロウナ」
「……やっぱり……そうだよな」
「オマエノ、コトダカラ『デモデモ』バカリ、カンガエテ、イタンダロウ」
「でもでもばかり?」
……確かに……そうだけど。




