今日は皆忙しいんだね
「……ペルセポネ」
「ぺるみ」
「ぺるぺる……」
ん?
バニラちゃんとおばあちゃんと吉田のおじいちゃんが呆れた顔をしているね。
どうしたのかな?
(ぺるみ様……楽しそうにベリアルを吸っていたようですね)
あれ?
ゲイザー族長かな?
わたしの心の声を聞いていたのかな?
(……はい。我らにはベリアルの心も聞こえていました)
ん?
ベリアルは寝ていたよ?
(……しっかり起きていましたよ。寝た振りをしていたようです)
え?
そうなの?
……?
それで?
どうして皆は呆れているの?
(ぺるみ様のベリアルへの愛が……重いからでしょうか)
ん?
そうかな?
(かなり言葉を選んだつもりですが……)
え?
よく分からないよ。
(あ、ベリアルが家から出てきましたよ?)
うん。
今日もかわいいよね。
ぐふふ。
あれ?
フラフラだね。
どうかしたのかな?
(ぺるみ様に吸われて生気を吸い取られた……という感じでしょうか? ぺるみ様はツヤツヤになっていますよ)
え?
そうなの?
「うぅ……今日はもうダメかも……」
……!?
ベリアルが倒れ込んだ!?
「大丈夫!?」
「……大丈夫かって? お前のせいだろ……うぅ……お風呂に入りたい……」
ベリアルは今日はアカデミーは無理そうだね。
「ベリアル……今日は第三地区に居てのんびりして欲しいよ」
「……でもアカデミーには誰が付いていくんだ?」
「えっと……ゴンザレス……かな?」
「ハデスはどうしたんだ?」
「あ……冥界で仕事があって……あ、そうだ。今日はうさちゃんが張り切っているんだよ! ほら、あそこ。あぁ……」
ベリス王がプレゼントしてくれたフカフカソファーで、ぐっすりだよ。
「うさちゃんはダメみたいだな……ゴンザレスゥ……一人で平気か? バニラちゃんは用事があるって言ってたし」
バニラちゃんはお出かけするんだね。
パートナーさんを食べた魔族に会いに行くのかな?
「大丈夫。モグモグ」
ゴンザレスがチョコレートを食べながらご機嫌で返事をしているね。
ベリス王からのお土産かな。
ゴンザレスはチョコレートが大好きだから夢中で食べているよ。
「うわあぁ! チョコレートだ! オレも食べたい!」
……ベリアルはすっかり元気になったみたいだけど、心配だから今日はお休みさせよう。
「ぺるみ……今日はばあちゃんがピンクのヒヨコになってアカデミーに付いていくか?」
おばあちゃんが心配そうに話しかけてくれたけど……
授業参観みたいな事になっちゃうよ。
おばあちゃんはわたしが怠けていると怒りだすからね。
「大丈夫だよ! ゴンザレスがいてくれれば! ね? ゴンザレス」
「モグモグ。大丈夫。モグモグ」
……チョコレートに夢中で上の空だね。
だんだんベリアルに似てきているような……
今日はゴンザレスと二人でアカデミーに行くのか。
でも王子達もアカデミーに行くんだよね?
「ぺるみ。王子達はそれぞれ用事があって今日は休みだぞ? やっぱりばあちゃんが付いていくか?」
「休み……? そっか。でも大丈夫だよ。ゴンザレスがいてくれるから。ね? ゴンザレス」
「モグモグ。大丈夫。モグモグ」
……まだチョコレートを食べているね。
まあ、敵が来たとしてもわたしなら簡単に倒せるし、ゴンザレスが心を聞いてくれればどんな問題もすぐに解決できるよね。
……たぶん。




