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うさちゃんはソファーにダメにされました

「うーん……」


 第三地区に着いて、うさちゃんが入っているバスケットを広場の机に乗せると考え込む。

 何か大切な事を忘れているような気がする。

 なんだろう?


「ぺるみは考え事か? 昨日の内臓が痛むか?」


 雪あんねぇが心配そうに話しかけてきたね。

 今日はもう畑仕事が終わったみたいだ。

 ウェアウルフのお兄ちゃんはいないんだね。

 いつも一緒にいるのに珍しいよ。


「身体は平気なの。でも……何か大切な事を忘れているような気がして」


「大切な事? なんだろうな? あ、もしかして、天ちゃんの誕生日とかか?」


「え? お父様の誕生日? そういえばサプライズパーティーを開くって約束させられたんだっけ。あ! お父様を一発殴る話もあったよね」


「そうだったな。今なら最高の力で殴れるだろうな! あはは!」


「さすがに死んじゃうよ! あはは!」


「ペルセポネェ……怖いからやめてよぉ」


 いつの間にかお父様とお母様が来ていたんだね。

 お父様がビクビクしながら話しかけてきたよ。

 

「もう! ゼウスは黙ってて! ペルセポネ……体調は大丈夫? オケアノスは?」


 お母様が心配そうにしているよ。


「オケアノスは大丈夫みたいだよ? ハデスと仲良くなっていたみたいだし」


「……え? ハデスと?」


「うん。なんか……真面目に生きてきたのが馬鹿らしくなったって言っていたよ」


「え? 一体何があったの?」


「あぁ……うーん……結局オケアノスは優しかったっていう事かな?」


 さすがにハデスが気に入らない天族と人間と魔族を暗殺していたなんて言えないよね。


「……オケアノスが……ペルセポネの身体を使って世界を滅ぼす事はないのね?」


「ふふ。大丈夫だよ? オケアノスは優しい子だから」


「優しい子……? 本当に大丈夫かしら……そういえばハデスは?」


「あぁ……うん。冥界で仕事があってね」


「そうなの。よほど大切な仕事なのね」


「うん。今日はうさちゃんがわたしを守ってくれるんだって」


「うさちゃんが……そうなのね……」


 バスケットで眠っているかわいいうさぎちゃんに見えるけど、闇の力を使えてすごく強いんだよね。


「ぺるみ様。うさちゃん。昨夜はありがとうございました」


 ……あれ?

 ベリス王とベリス王子が来たけど……

 ヘスティアの空間移動で来たのかな?

 眩しくないように少し離れた所に移動してきたみたいだね。

 ヘスティアも一緒に歩いてきているよ。


「あ……それって……」


 ベリス王の側付きの二人がソファーを運んできているね。


「はい。約束のソファーです。うさちゃんにはお世話になりましたから」


 ベリス王が優しく微笑んでいるね。


「ン……? ソファー? ソファーダ!」


 うさちゃんが嬉しそうにソファーに寝転がったね。

 フカフカで気持ち良さそうだよ。

 ……!?

 すごい。

 もう眠っているよ。

 これは……今日はもうソファーから動かないんじゃないかな?

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