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消された記憶

「……ペルセポネ?」


 ハデスが深刻な顔をしているわたしを見つめているね。


「……うん。もう寝よう? これ以上は知ったらダメ」


 ハデスが真実を知れば、どうなるか。

 もしかしたら……生きていられなくなるかもしれない。

 それだけは絶対にダメだよ。


「ペルセポネ?」


「生きていたいなら知ったらダメなの」


「……ペルセポネ?」


「もう寝よう? 全部忘れよう?」


 わたしにも記憶を消せるのかな?

 違うね。

 一分だけ時間を……わたし達二人だけの時間を巻き戻そう。

 オケアノスと一緒にわたし自身も魂の秘密を忘れるだろうけど、それでいいんだ。

 上手くできるかな?

 絶対に成功させないと……





「……そうだな」


「ハデス……?」


「なんだ? ……? ペルセポネか?」


「うん。……疲れちゃったみたい。……オケアノスと話せたみたいだね」


「あぁ……ペルセポネの言う通り悪い者ではなさそうだ」


「そう。……変だよ……すごく疲れたの……」


「……もう眠ろう。明日も早いからな」


「ん……ハデス……抱っこ……」


「ペルセポネは甘えん坊だな……」


「えへへ。抱っこで寝たいの」


「……ペルセポネ……今宵は……」


「……ん?」


「あぁ……いいか……?」


 いいか?

 何が?

 抱っこしてもいいかっていう事かな?


「……? うん……?」


 ハデスの顔が近づいてくる。

 うさちゃんもぐっすり寝ているみたいだし今度こそ邪魔されないよね?


 ……あれ?

 バスケットの中で寝ていたはずのうさちゃんがいない?


「……ヤレヤレ……マルデ、ガイチュウ、ダナ」


 うさちゃん!?

 おでこの魔法石が光っているよ?

 あれ?

 ハデスが倒れ込んだ?


「うさちゃん……またハデスを寝かせたの?」


「……ペルセポネニモ、ジョウシツナ、ネムリガ、ヒツヨウナ、ヨウダ。スベテ、ワスレタノカ……」


「……? うさ……」


 あぁ……

 眠くなってき……



 

「ペルセポネ様、ハデス様そろそろ起きませんとアカデミーに遅刻しますよ?」

「ハデス様もペルセポネ様も気持ち良さそうに寝ているな」

「今日はアカデミーは休みでいいんじゃないか?」


 ……あれ?

 ケルベロスの声?


「ん……あれ? もう朝?」


 すごく良い夢を見たよ。

 そういえばルゥだった時に治癒の力を使われた相手は良い夢を見たって言っていたよね。

 同じような事なのかな?


「お目覚めですか?」

「今日はアカデミーを休めばいい」

「……おや? うさちゃんは?」


 うさちゃん……?

 いないのかな?

 貝殻拾い……は冥界だからできないか。


「ココニ、イル」


 扉から入ってきたね。

 お出かけしていたのかな?


「うさちゃん? 眠れなかったの?」


「……ベリスオウコクノ、ソファーガ、ホシイ」


「あはは。あのソファーが気に入ったんだね」


 すごくフカフカだったからね。

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