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ハデスは冥界に何をしたの?

「ハデス……ハデスはペルセポネが暴走したら……どうするつもりなの?」


 お母様が小さく震えながらハデスに尋ねている。


「デメテル……心配な気持ちは分かるが少し落ち着いた方がいい。顔色が悪いぞ? 確かにオケアノスは魔王様にペルセポネを攻撃させて古代の闇の力を吸収させようとしているが、そんな事はあり得ない。魔王様はペルセポネを愛しているのだ。決してオケアノスの思い通りにはならない。それに、もしペルセポネが暴走したらわたしがとめる」


 ハデスはあの時、広場にいなかったからわたしが暴走したら命を奪われなければいけない話を聞いていなかったんだよね。


「ハデス……どうやって? ヨシダさん達でさえ難しい事を……どうやって……」


「冥界に連れていく」


「冥界?」


「冥界は神でさえ簡単には入れない。それはわたしが冥界の主だからだ。冥界はわたしの意志そのものなのだ」


「意志そのもの?」


「もしオケアノスが暴走したとしても長い時をかけて冥界で気持ちを落ち着ければいい。冥界で暴走したとしても……冥界は被害を受けないからな」


「被害を受けない? それは……?」


「……今は詳しくは話せないが……冥界はオケアノスが力を爆発させ滅ぼそうとしても消し去られるほどの被害は受けない」


「……ハデス? あなた……冥界に何をしたの?」


「……いずれ話す時が来たら……その時に話そう」


「ハデス……悪い事はしていないわよね?」


 お母様が不安そうにしているよ。

 ハデスが冥界に何かしたの?

 この世界と天界の間に冥界があるんだよね?

 確か天界の下に冥界があってその下にタルタロス、そのずっと下にこの世界があるはず。

 オケアノスはこの世界と天界を同時に滅ぼそうとしていた。

 それだけの力が冥界で暴走しても被害がでないって……

 どういう事なんだろう?


「デメテル……ペルセポネを信じよう。そして支えよう」


「……でも」


「二度と喪わない。二度と引き離されない。二度と……その気持ちはわたしも同じだ。今はあの頃とは違う。そうだろう? 今のわたし達は思う事を何でも話し合う事が出来るようになった」


「ハデス……」


「皆でペルセポネを見守ろう」


「……ダメね。いつまでも子離れできなくて……」


「それほどペルセポネを愛しているという事だ」


「ハデス……」


「さあ、もう眠らないとな。明日もアカデミーだ。デメテルはゆっくり休んだ方が良さそうだ。身体が冷えているぞ?」


「……そうね。ペルセポネが心配で眠れそうにないけど……ペルセポネは今日は第三地区で夜を過ごす日ね」


「「「ちょっと待ったああああ!」」」


 ……?

 空から何かが落ちてきながら叫んでいるね。

 暗くてよく見えないけど冥界のケルベロスだよね。


「ペルセポネ様ぁぁぁあ!」

「昨夜は冥界で眠るはずでしたが第三地区に泊まったのですよ?」

「今宵は冥界で眠るんだ! 絶対に! ぜっったいにっ!」


 ケルベロスの三つの頭が落ちてきながらずっと叫んでいるよ。

 これは今日は冥界で夜を過ごす事になりそうだね。

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