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ベリス王子はずっと無理をしながら頑張ってきたんだね

「全て……第三地区から……水晶で見ていました」


 ベリス王子が全てを見ていた?

 第三地区の皆と?

 種族王達もいたはずだよね?


「えっと……?」


「ヨシダさんがそうするようにと……デメテル様に伝言を残して……」


 吉田のおじいちゃんが!?


「あ……あの……」


 お腹の赤ちゃんが亡くなった事は心の中で話していたから聞かれていないよね?

 あれ?

 でも、さっき吉田のおじいちゃんが王子も知っているって話していたような……


「姉上が、こんなに穏やかに眠る姿は見た事がありません。父上と母上と叔母上も……うさちゃん……ありがとうございます」


「キニスルナ。オマエハ……ドコマデ、シッテイル?」


「……全て……です。わたしは次期ベリス王になるのです。姉上を守り続ける為に……姉上を憎む愚かな弟達に王位は渡さない!」


「ソウカ……」


「弟達は……まだ母上が胎児を喪った事を知りません。どうしたものか……真実を知れば胎児の命を奪った姉上をさらに憎むでしょう」


「オトウト、タチハ、コノ、ムスメヲ、キラッテ、イルノカ?」


「母上も父上も姉上に付きっきりでしたから。嫉妬しているのでしょう」


「……オマエハ?」


「え? わたしは……姉上が苦しむ姿をずっと見てきましたから……それに……わたしは知っています。姉上は、優しくて明るくてバラの花が大好きで……姉上は……わたしをそれはかわいがってくれて……」


「オマエモ、ヒガイシャダ。ゼンマオウノ……ナ」


「うさちゃん……? わたしも……被害者?」

 

「オヤノ、アイヲ、アネニ、ウバワレテモ、タダ、ガマン、シテキタ。ソシテ、コレカラ、サキモ、アネヲ、マモロウト、シテイル」


「それは……」


「コレカラハ、ジブンノ、タメニ、イキロ」


「自分の為に……生きる?」


「オマエハ、ジュウブン、スギルホド、ガンバッテキタ。コレイジョウハ、オヤノ、ヤクメダ」


「親の役目……?」


「オマエハ、オマエノ、ミチヲ、ススム、トキガ、キタ」


「わたしの道を進む……?」


「オマエノ、サイゴノ……オトウトト、シテノ、ヤクメダ。オマエガ、キメロ」


「……? 弟としての最後の役目?」


「コノ、ムスメノ、キオクヲ、イマ、スベテ、ケスカ、キメロ」


「……え?」


「コノ、オヤタチ、ニハ、ムリダ。オマエハ……ヤサシイ、コダ。ツライ、ダロウガ。コノ、ムスメハ……モウ、モトニハ、モドレナイ」


「姉上は……記憶を消したらどうなるのですか? 赤ん坊のようになってしまうのですか?」


「そうだなぁ。全てを忘れてるはずだ。でも、前魔王の幻から逃れる為にはそれしかねぇんだ」


 吉田のおじいちゃんが辛そうに話しているね。


「それなら……こうしたらどうかしら?」


 バニラちゃんが何か思いついたみたいだね。


「何か良い考えがあるのですか?」


「ペルセポネ……確か、オークを赤ん坊にした事があったわね?」


「え? わたし? パパを赤ん坊に? あぁ……ウェアウルフ族とグリフォン族が攻めて来た時の事?」


「そうよ。聖女だった時のルゥにできたなら天族に戻ったペルセポネにならもっと上手くできるはずよ」


「……でも、どうして今その話を?」


「この娘を赤ん坊にするのよ。そして……お……父様が記憶を消すの」


「え? でも……赤ん坊にする必要があるのかな?」


 今のままの姿じゃダメなのかな?

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