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うさちゃんは空気が読めない時があるよね

「これがベリス城です」


 ベリス王がお城を見上げながら教えてくれたけど……

 これがベリス城。

 上品で落ち着いた雰囲気だ。

 金ピカのヴォジャノーイ城とは全然違うよ。

 中に入ると……

 バラの香りがしているね。


 広い部屋に通されると少し待つように言われる。

 ベリス王が部屋から出て行くとフカフカのソファーに座る。


 すごいな。

 天界で使っているような最高級品だよ。


 うさちゃんがバスケットから出てソファーに横になったね。

 寝心地の良さに、うっとりしている。


「……コレガ、ホシイ」


 ん?

 うさちゃんはソファーが気に入ったみたいだね。


 部屋には高そうな花瓶に真っ赤なバラと黒いバラが飾ってある。

 ベリス王はバラの花が好きなのかな?

 そういえば、いつも赤と黒の高級そうな服を着ているよね。

 

「お茶も出さずに申し訳ありません」


 ベリス王が帰ってきたね。


「気にしないで? 娘さんの様子を見てきたの?」


「……はい。今は錯乱しているようで……また後日に……」


「錯乱? それって……」


「娘は眠りが浅く……あまり眠れないのです」


「まさか……数千年も?」


「……はい」


 まさか前魔王に酷い目に遭わされてからずっと眠れずにいたの?


「今すぐ会いに行きたいよ」


「ですが……暴れて……いまして……」


「ベリス王? わたし達は気を遣い合うような仲じゃないでしょう?」


「ぺるみ様……」


「連れて行って? 娘さんの所に」


「……はい。ぺるみ様……ありがとうございます」


「オイ……」


「……はい?」


 ん?

 うさちゃんがベリス王に話しかけている?

 まさか、この状況でソファーが欲しいなんて言わないよね?


「オレガ、ムスメヲ、ネカセテ、ヤロウ」


「……え?」


「オレニハ、ノウニ、ガイヲ、アタエズ、ネムラセル、チカラガ、アル」


「……脳に害を与えずに?」


「ソウダ。ダカラ、カワリニ、コノ、ソファーヲ、クレ」


 ……!?

 うさちゃん!?

 

「え? ソファー? それは構いませんが……」


「イイカ? ネムリハ、イキルタメノ、キホンダ。ムスメハ、ネブソクデ、カラダモ、ココロモ、ツカレキッテイル。オレガ、イイユメヲ、ミサセテ、ヤロウ。オレガ、ネムラセルト、アノ、ハデスデサエ、ニヤニヤ、スルカラナ」


「え? ハデス様……ですか?」


 うさちゃん!?

 そんな事をハデスに聞かれたら……

 あぁ……

 良かった。

 おばあちゃんが気を利かせてハデスに話しかけてくれたみたいだ。

 聞こえていなかったみたいだね。


「トリアエズ、ムスメニ、アワセロ」


「あぁ……はい。娘の部屋はこちらです」


 案内されて扉の前まで来ると中から女の子の声が聞こえてくる。

 何て言っているんだろう?

 言葉っていうより悲鳴みたいな……


「ベリス王、開けてもいい?」


「……はい」


 扉を開けると……

 

 うわあぁ……

 すごく綺麗な女の子だ……

 それと女の子にそっくりな……

 ベリス王のパートナーさんかな?

 侍女みたいなベリス族も一人いるね。

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