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こうやって『この世界を守る一人』になるんだね

「うわあぁ! ごちそうだ! ごちそうだ! ゴンザレスいっぱい食べような?」


 ベリアルがご機嫌に笑っているね。


(では、ぺるみ様、オレはベリアルの所に行きますね)


 ……うん。

 ありがとう。


「ペリドット……大丈夫だった? 身体は辛くない?」


 ココちゃんが心配そうに話しかけてきてくれたね。


「うん。大丈夫。さっきはヒヨコちゃんとゴンザレスのお世話をしてくれてありがとう」


「……顔色が悪いよ? 医務室に行く?」


「あぁ……平気だよ? ちょっと考えちゃって……」


「……伯爵令嬢の事?」


 それもあるけど……

 でもジギタリス公爵の話は今はしない方が良さそうだね。


「うん……これからどうなるのかなって」


「たとえ処刑を免れても平民として暮らしていくのなら……それはあの令嬢にとっては苦痛でしかないだろうね」


「……やっぱりそうなのかな」


「ここから先はわたし達にできる事はないかもしれないね。あとはヘリオスに任せよう? ヘリオスは立派な陛下だよ? だから信じて待っていよう?」


「……うん。そうだね」


「ほら、空を見よう? 雲ひとつ無いよ? あぁ……海が見たいなぁ」


「ふふ。ココちゃんは海が好きなんだね」


「うん! ほら(海賊だったから)」


「……! そうだね。わたしも海が大好きなんだ」


「ふふ。ペリドットは笑った方がかわいいよ」


「え?」


「色んな立場があるから……がんじがらめになっているんじゃない?」


「ココちゃん……」


「ペリドットはいつも誰かの為に生きてきた。違うね……そうするしかなかったんだよね。だから、今度こそペリドットだけの幸せを考えて欲しいの」


「わたしだけの幸せ?」


「うん。わたしは何があろうとペリドットの考えを尊重するから」


「……ココちゃん」


「ペリドットが命がけで守ってくれたこの世界を今度はわたしとヘリオスで守っていくから……だから……誰よりも幸せになって?」


「……うん……うん。ありがとう。わたし……二人になら安心して……だから……」


 もう人間には関わらない……

 二人ならきっと人間達を幸せに導けるから。


「アカデミーを二か月後に辞めたら……もう会えないの?」


「……市場に雇っている親子がいてね? しばらくはお給料……報酬? を渡したいから……でも、それが落ち着いたら……もう……人間とは深く関わらないつもりだよ?」


「……ペリドットは……大切な家族と幸せに暮らすんだね」


 ココちゃんはわたしが魔族と暮らしている事を知っているんだよね。

 わたしの今の身体を神様が授けてくれたと思っているんだ。


「……うん。生きる時の長さが変わったから……わたしは……ずっと離れた場所から……皆を見守るよ」


「……ペリドットは神様みたいだね」


「え?」


「皆の幸せを願って見守ってくれる神様……」


「ココちゃん……」


 そうか……今まで上位精霊や初めからいた魔族の皆がしてきた事をわたしもしていくのか。

 今になって気づくなんて……

 初めからこの世界にいた皆もこうやって大切な誰かを見守る道を進んだんだね。

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