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サプライズパーティーが始まる(1)

「そろそろ星治が来る時間だなぁ」


 おばあちゃんが綺麗なワンピースに着替えてソワソワしているね。

 第三地区の皆も、おしゃれをしてサプライズパーティーにワクワクしているみたい。


 誕生日の宴に招待された種族王達(それぞれ従者三人まで)も皆一時間前には到着してくれたんだよね。

 魔族の皆は本当に律儀と言うか、真面目だよね。


 ここにいる皆は知っているんだ。

 わたしの呪いが解けている事を。

 あの時いなかったドラゴン達には吉田のおじいちゃんがこっそり教えていたし。

 知らないのはお父様だけか。

 今日気づいてくれるとわたしも気持ちが楽になるんだけど……

 いつまでも心配させちゃうのはかわいそうだからね。


 でも……

 このお父様が自ら気づくとは思えないよ。

 今も、人魚に女体化してくれって頼んでヘラに怒られているし。

 全く、困ったお父様だよ。


「ぺるみ様、お任せください。我ら魔族も神に自ら気づかせるようにお手伝いさせていただきます」


 イフリート王も、ぺるみって呼んでくれるんだね。


「ありがとう。お父様は……何て言うか……アレだからね? なかなか気づけないと思うんだ」


 娘のわたしからは、はっきり言えないよね。

 父親だし、神様だし。


「要するにバカなんだろ?」


 ママ!?

 一応神様だからね?

 バカとか言ったらまずいんじゃないかな?

 

「「「あぁ……」」」


 あぁ……!?

 何?

 今、第三地区にいる皆が納得したよね?

 しかも、ため息に近い声が漏れていたよ?

 もしかして魔族の皆も、お父様の到底神様とは思えない姿を知っているの!?

 あぁ……

 恥ずかしいよ。

 

「なになに? 何の話をしているの? ねぇねぇ?」


 お父様……

 お父様の悪口だよ。


「あ! ハデスがお父さんを呼んできてくれたよ!」


 ちょうどいいタイミングだね。

 お父さんには、迎えに行ったハデスから呪いが解けていた事を話してもらっているんだ。


「よし! じゃあ皆、それぞれ建物の陰に隠れて『せーの』で『おめでとう』って言うからなぁ?」


 吉田のおじいちゃん……

 楽しそうだね。

 魔族の皆も初めてのサプライズパーティーにワクワクしているみたい。


「うわあぁ! 離せ! 変態ぺるみめ!」


 油断していたベリアルを無理矢理抱っこして隠れると騒ぎだす。


「(ベリアル? 静かにしないと隠れているのが、ばれちゃうよ? スーハー)」


 ふふふ。

 こんなチャンスをわたしが見逃すはずがないでしょ?

 しっかり堪能させてもらうからね!

 スーハースーハー……


「(くっ! この変態め)」


「(変態……? あぁ……ドキドキするよ。もっと言って? スーハー)」


「(……!? 気持ち悪っ! こいつ本物の変態だ)」


 変態……?

 あぁ……

 興奮が止まらない!

 スーハースーハー……

 あれ?

 前よりも変態になっているような気がする?


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