これがゲイザー族の姿なんだね
でも、確かゴンザレスはゲイザー族の姿だけどハリセンボンに見えるようにしてもらっているんだよね?
身体のどの部分にリボンを結ぶのかな?
本当の姿で痛くないように結ばないとかわいそうだよね。
今だけ誰にもばれないようにゲイザー族の姿を見られないかな?
「うーん……これは困りましたね。ぺるみ様……どのように結びましょう」
さすがのベリス王子も悩んでいるみたいだね。
「えっと……わたしにできるかな?」
「(この状況を見ている誰かが本来のゲイザー族の姿に戻してくれたようなのですが……)」
「え? そうなの?」
ゴンザレスがベリス王子の陰にいるから見えなかったよ。
って……
……!?
これが……
ゲイザー族の本当の姿!?
黒いモヤモヤした丸い顔? に目がひとつある。
顔から触手がいっぱい生えていて、その全部の触手の先端に目がついているよ。
これは……
ベリアルに見せたら泣いちゃいそうだよ。
(え? なぜ泣くんですか?)
ゴンザレス……
聞いていたんだね。
(ハリセンボンの姿とあまり変わりませんよ?)
あぁ……
わたしは平気だけど……
ベリアルは怖がりだからね。
(そうですか? うーん?)
急いでリボンを結んじゃおう?
触手のひとつに結ぶとハリセンボンの姿の時にリボンが浮かんでいるように見えちゃうかも。
だけど顔の目の部分を結ぶと痛そうだよね。
(ではグルっと脇の部分を一周させて登頂部で結んでください)
なるほど、それならハリセンボンの姿になってもかわいいかも。
「ぺるみ? どうかしたのか? オレも手伝おうか?」
あぁっ!
ベリアルにこの姿を見られるわけにはいかないよ。
「大丈夫大丈夫! すぐ終わるからっ! よし、できたっ!」
吉田のおじいちゃん?
おばあちゃん?
バニラちゃんなのかな?
お願いだから早くゴンザレスをハリセンボンの姿に見えるようにして!
あれ?
聞こえていないのかな?
「ん? うわあぁ!」
しまった!
ベリアルに見られちゃった!?
「こ……これは違うの……あの……」
どうしよう。
ベリアルが怖がったらゴンザレスが傷ついちゃうよ。
「かわいいなぁ……」
あぁ……
良かった……
間に合ったんだね。
ゲイザー族の姿を見られなかったみたいだ。
……確かにかわいいよね。
プレゼントみたいになっているよ。
ハリセンボンの身体にリボンが巻かれていて頭の上に大きいリボン結びが……
ぐふふ。
堪らないね。
「よし! じゃあティーパーティーに乗り込むぞ!」
ベリアルは、やる気がすごいね。
お菓子が食べたいだけのような気もするけど。
一体どんなティーパーティーになるんだろう?
「ここがティーパーティー会場か……」
綺麗なティーカップとかかわいいお菓子とかが並んでいるね。
それに……
どうしたのかな?
女の子が泣いているよ?
「ふふふ。クッキーもまともに食べられないなんて……これだから男爵家はダメなのよ」
ん?
あれは……
顔が薄い女の子……
相変わらず性格が悪いんだね。
あ……
あれって先生が教えてくれた嫌がらせクッキーだよね?
触っただけでボロボロになるやつだよ。




