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ヒヨコのベリアルの秘密(7)

「は? そんなのおかしいだろ? 親子で婚姻なんてあり得ないだろ?」


 おぉ……

 ベリアルは親子間での結婚に反対なんだね。


「そうか。我が息子よ」


 ……?

 ハデス?

 我が息子って?

 ベリアルの事?

 どうしてだろう、ハデスの顔が少し嬉しそうに見えるような?


「はぁ!? なんだ、それは!? オレがハデスの息子!? あり得ないだろ!」


 ベリアルも動揺しているね。

 ハデスは急にどうしたんだろう?

 嫌がると思ったのに。

 

「ははぁん。さてはベリアルが息子なら、ぺるぺるに言い寄らねぇと思ったなぁ? あははは。ハデスちゃんはかわいいなぁ」


 ん?

 吉田のおじいちゃん?

 どういう事?


「息子なら、母であるペルセポネに抱きしめられても我慢できるからな。我が息子よ。これからは、いくらでも抱きしめられていいぞ?」


 じゃあ、今までみたいにベリアルを吸っても嫉妬しないっていう事!?

 やったぁぁぁ!

 吸い放題だよ!

 ベリアルパラダイスだよ!

 ぐふふ。


「うわあぁん! 勝手に息子にされてるよぉ! ばあちゃぁぁん!」


 あぁ……

 せっかく抱っこしていたのに、おばあちゃんの所に飛んで逃げちゃった。


「ははは。まぁいいじゃねぇか。今までと何かが変わるわけじゃねぇんだからなぁ。ベリアルはベリアルだぞ?」


 そうだね。

 わたしがベリアルパラダイスになる事以外は、何も変わらないよね。

 ぐふふ。

 ママの愛で、毎日抱きしめて吸って撫で回してあげるからね。

 くぅぅ!

 堪らないね!


「ばあちゃん……うん。あれ? 今、寒気がしたような……?」


 ベリアルが、わたしの視線にゾワッとしたみたいだね。

 くぅぅ!

 かわいいっ!

 

「大丈夫? 寒いの? ママが抱っこしてあげるからおいで?」


 ふふふ。

 さぁ来るんだよ。

 しっかり温めてあげるからね。

 今度は逃げられないように、しっかり掴まえておかないとね。


「お前……ヨダレが垂れてるぞ? 気持ち悪……」


 ベリアルがわたしを見て怯えている?

 むしろ、呆れているみたい?

 ヨダレなんて垂らしていないでしょ?

 そんなはずは……


「ヨダレなんて垂らして……あぁ……しまった!」


 油断しちゃった。

 本当にヨダレが……


「やだ……絶対、嫌だよぉぉ! こんな変態がママとか絶対、嫌だよおぉぉ!」


 第三地区にベリアルの叫び声が響く。


「……ベリアル。寝グズかな? ママが抱っこしてあげるからおいで」


 さぁ。

 おいで!

 早速ママとして、たっぷり吸って撫で回してあげるからね!  

 ぐふふ。

 ヨダレが止まらないよ。


「だから、嫌だってぇぇ! うわあぁん! 誰か助けてぇぇ!」


 そんなこんなで、今日からベリアルはわたしとハデスの息子になった……はず。

 

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