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ベリアルをさらにかわいく着飾らせたら……堪らないよね

「さすが、ぺるみ様です」


 ベリス王子は顔も性格もベリス王にそっくりだね。

 

「やっぱり……うーん。原価が安くて高く売れる物……か。あれ? 赤ちゃん相手じゃない物でもいいんだよね?」


「今回は父からベリアルに使う物というお題が出ていますので……」


「……」


「ぺるみ様?」


「……ぐふふ」


「え?」


「実は前からかわいいカチューシャが欲しかったんだよ。この世界には無いみたいだから。でも作るとなるとプラスチックも必要だし……あ、やっぱりプラスチックはダメだね。向こうの物を持ち込んだらダメだし。この世界に悪影響があるかも……じゃあ……そうだ……ヘアバンドにしたらどうかな……待って? この世界にゴムは無いから長めのリボンにしてそこにかわいい飾りをつけて。猫耳もいいよね。あ、他にもリボンで作った大きめの花飾りをつけたり……それを首の後ろでリボン結びすれば……ぐふふ。猫耳ベリアルと、お嬢様風ベリアルのできあがりだよ。くぅぅ! 堪らないね。やっぱり猫耳といえばメイド服だよね。ピンク? いや、黒かな? いや……ここはあえて真っ白にして……」


「ほうほう……なるほど……分からない言葉もありましたが……長いリボンに飾りをつけてそれを首の後ろで結んだ物をヘアバンドというのですね」


 いつの間にかメモしているね。

 本当に父親そっくりだよ。


「そうだよ……ベリアルをさらにかわいくできるアイテムだよ。ぐふふ」


「……楽しそうで何よりです。それで……猫耳……? とは?」


「猫の耳の部分だけをリボンにつけると頭から耳が生えているみたいにできるの。あ、もちろん本物の猫の耳をつけたらダメだよ? かわいそうだし。うーん。リボンじゃ耳を表現できないか……羊毛を針で刺して作る……とか? でもこの世界に羊っているのかな? 牛はいないみたいだし……」


「羊……? モコモコの毛を刈るあの羊ですか?」


「え!? いるの!?」


「はい。セーターなどは北部で人気ですよ?」


「セーターか。わたしはずっと暖かい所にいたから知らなかったよ」


「羊毛を針で刺すとは?」


「ふふ。幸せの島に帰ったら一緒にやろう? あ、でも、幸せの島に羊毛は無いか……」


「それでしたら大丈夫です。水晶で見ている父が必要な物を用意してくれているはずですから」


「ベリス王は優しいお父さんなんだね」


「……はい。我がベリス族は誤解されやすいですが皆優しいのですよ」


「誤解?」


「はい。嘘つきで自分の欲の為にしか動かないとよく言われます」


「……」


 それに関しては父親のベリス王を見ているから否定はできないよ。


「ですが……時には嘘も必要です。優しい嘘は……必要なのです」


「……? ベリス王子?」


「わたしは……絶対にベリス王になります。そして……」


「そして?」


「……ぺるみ様が治せるのは……傷と魔素による病……なのですよね?」


「……? うん。そうだけど……」


「例えば……酷く傷ついた心は……治せませんか?」


「うーん……それは……わたしには難しいかな……専門の医者もこの世界にはいないみたいだし……」


「そうですか……申し訳ございません。忘れてください」


「あ、でも……レオンハルトのお兄さんは吉田のおじいちゃんが診ているけど……」


「初代の神……でしたね。ですが……ダメでしたし……」


「……え?」


「あ、いえ……」


 なんだろう?

 いつも作り笑顔のベリス王子が一瞬辛そうな顔になったような……?


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