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知ってはいけない真実? (4)

「数年……? 嫌だよ……吉田のおじいちゃん……うさちゃんを助けたいよ」


 うさちゃんが砕けるなんて嫌だよ。


「……そうだなぁ……じいちゃんも助けてぇけどなぁ……うーん……新しい身体を創ってうさちゃんの魂を入れるか……?」


 吉田のおじいちゃんが何か考え込んでいるね。


「おじいちゃん? どうかしたの?」


「……いや。うさちゃんの魂は……どこから来たんだ?」


「……え? 魂?」


 確かに……

 考えた事もなかったよ。

 闇の力を魔法石に入れたらうさちゃんに肉体ができて身体に魂が入った?

 っていうより……

 どうして、赤ん坊は産まれた時から身体に魂が入っているの?


 誰かが入れている……とか?

 それとも……

 あれ?

 頭がぼーっとする……

 あぁ……

 おばあちゃんが……

 記憶を……

 消……


 ……?

 あれ?

 記憶が……

 消えていない?

 

 他の皆は少しぼーっとしている。


(……ペルセポネ……あなた……)


 バニラちゃん?


(ガイアの記憶を消す力をはね除けるなんて……)


 はね除けた?

 あれ?

 時が止まっている?

 バニラちゃんがやったの?


(心を閉ざしなさい。ガイアにこの事を知られないように)


 バニラちゃん?


(わたしだったペルセポネならできるわ……あなたは真実に近づいてしまった。これ以上知ってはいけない。ウラノスでさえ知らない真実を……)


 ……おじいちゃんでさえ知らない真実?

 魂の……秘密……?


(これ以上考えてはいけない。これ以上は知ってはいけない。わたしにあなたを殺させないで)


 ……バニラ……ちゃん?


(わたしやガイアは他人に心を聞かれない。でもペルセポネは違う。油断すればウラノスやゲイザー族に聞かれてしまう。これ以上知れば……わたしかガイアがあなたを殺す事になる)


 魂の秘密を守る為?


(そうよ。これは……誰にも知られるわけにはいかないの。心を閉ざしなさい。ガイアにあなたを殺させない為に。ガイアはあなたを愛しているわ? そんな事は絶対にさせられない。わたしだって……絶対に嫌よ)  


 心を閉ざすって……

 どうやって?


(自分自身の記憶を消すのよ)


 記憶を消す?

 やった事がないよ。


(落ち着いて。いい? うさちゃんの事はわたしに任せて? ガイアもうさちゃんを助ける方法を見つけようとしてくれるわ? 今は自分自身で記憶を消すの)


 ……うさちゃんは……砕けたりしない?

 

(大丈夫よ。ペルセポネ……わたしにとってもうさちゃんは大切な存在よ? あなたが死ねば、うさちゃんも悲しむわ。皆が生きる方法を考えるのよ)


 ……うん。 

 バニラちゃん……

 ごめんなさい。

 役に立てなくて。


(いいのよ。さあ、記憶を消すの)


 ……うん。



 


(……まさか……オレにさえできなかった事をこんなに簡単に……ペルセポネの……この力があれば……)


 ……?

 バニラちゃんの声?

 わたしの声……?

 オレって……?

 これは……夢……?

 頭がぼんやりする。


「ばあちゃん今日の朝ごはんは何だ? クレープがいいなぁ」


 ……ベリアル?

 朝ごはん?

 ……!

 そうだ!

 アカデミーに行かないと!

 また遅刻ギリギリになっちゃうよ。

 あれ?

 何だろう?

 頭がフラフラする。


「ペルセポネ……大丈夫?」


 バニラちゃんが心配そうにしている?

 吉田のおじいちゃんが遥か昔に堕天使を殺害した話を聞いたから心配してくれているんだね。 


「うん。大丈夫……」


「……そう。……良かったわ」


 ……?

 バニラちゃん?

 いつもと少し違う?

 なんだろう……

 心がモヤモヤする?

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