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知ってはいけない真実? (1)

 朝食のお手伝いに第三地区に行くと雪あんねぇとウェアウルフのお兄ちゃんが畑仕事をしている。

 二人は引っ越したけど、こんなに早い時間から来てくれているんだね。


「ああ。ぺるみ、おはよう」

「ぺるみ様おはようございます」


 雪あん姉とお兄ちゃんが楽しそうに笑っているね。


「おはよう。二人とも早いね」


「ははは! 畑仕事は一日だって休めねぇからなぁ。……ぺるみ? 何かあったか?」


 雪あん姉は、すごいね。

 わたしの顔を見ただけで分かったんだ。


「……うん。あのね? 聞いて欲しい話があるの」


「そうか。ちょうど一区切りついたからな。一緒に広場に行くか」


「うん。ありがとう」


 ゆっくり広場に歩き始めるとウェアウルフのお兄ちゃんが話し始める。


「ぺるみ様……? あの……」 


「ん? 何か話しにくい事かな?」


「ああ……いや……うさちゃんは……」


 うさちゃん?

 バスケットの中で気持ち良さそうに眠っているけど。


「ベリアルが使っていたバスケットが気に入って……ほら。今もぐっすりだよ」


「ああ……はい。あの……」


「……? どうかしたの?」


「ああ……うさちゃんは遥か昔からこんなに眠そうだったのですか?」


「え? うん。天界でもずっと眠そうだったよ?」


「そうですか……」


「お兄ちゃん?」


「あの……話そうか迷ったのですが……うさちゃんは魔法石だったのですよね?」


「うん。オケアノスが聖女を蘇らせる為に魔法石に闇の力を入れたらしいけど……」


「たぶん……ですが……うさちゃんはただ眠いのではなく……魔法石が耐えられないほどに闇の力が強過ぎるのではないかと」


「え?」


「確か……闇の力を入れた魔法石は砕けたのですよね? そして小さな欠片からうさちゃんが生まれた……」


「うん。そう聞いているけど」


「ぺるみ様は魔法石がどのように作られたかをご存知ですか?」


「魔法石? 魔力を入れると魔法石になるんだよね?」


「はい。そうです。では、その魔法石……石の部分がどのように作られたかは……?」


「え? 考えた事も無かったよ」


「あ、広場に着きましたね。皆さん起きているようですね。まだ時間も早いですし……よろしければ皆さんも聞いてください」


 こうして、第三地区の皆が広場に集まるとお兄ちゃんがゆっくり話し始める。


「うさちゃんの闇の力は魔王の力と同じ古代の闇の力です。その力の強さに遥か昔魔法石は砕けました。話しにくいのですが……うさちゃんから……魔法石の……きしむ音が聞こえています」


「え!? そんな!」


「もう限界のようです。強過ぎる闇の力に……人間だった魔法石が耐えられるはずがありません」


「……? 人間だった魔法石……?」


「……魔法石は……遥か昔の人間の肉体を……凝縮……といいますか……そうして作られました」


「……凝縮って? 何? まさか……人間を殺して作ったの!?」


「……はい」 


 ……そんな。

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