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ハデスとうさちゃん(2)

「……そうだな。自分の心でさえ全ては分からないものだからな」


 ハデスにもそんな時があるんだね。


「一番強い魔族は……その閉じこもっている魔族なんだね」


「気づいていない者の方が多いが……そうだな。だから魔王様が転移してくる前のわたしも『世界最恐』だったのだ。世界最強はその者だ。だが……魔王様の方がお強いのは確かだ。そして、ハデスの肉体を取り戻した今ならわたしも勝てるだろう」


「……そう」


「ペルセポネはどうしたいのだ?」


「……え?」


「ペルセポネは……どうしたいのだ?」


「……ひとりぼっちなんて悲し過ぎるよ……一緒に……幸せの島とか……第三地区に住めないかなって……でも……それをその魔族が望むとは限らないよね。わたしの考えを押しつけたらダメだし……」


「そうか……」


「それに、世界最強ならどこかの傘下に入るなんて無理だよね。種族王達が嫌がるよね。遥か昔の種族王がその魔族を傘下から追い出したのは自分より強いその魔族が邪魔だったからなのかな?」


「どうだろうな。なぜその種族王の傘下に入ったのかも今となっては分からないからな」


 ハデスは吉田のおじいちゃん達が心を聞ける事を知らないからね……


「……うん」


「ペルセポネ……?」


「あぁ……あのね? 笑わない?」


「ペルセポネの言葉を笑うはずがない」


「えへへ。ありがとう……」


「……話しにくい事か?」


「わたし……ね? バカみたいなの。……大バカなの」


「ペルセポネ? どうかしたのか?」


「ずっと……ハデスの……じいじからの愛を疑って……本当にバカだよ」


「……? どうした?」


 ハデスが『この世界』や『天界』に愛されているのかと思っていたけど違ったんだよね。

 この世界での事は全部、上位精霊やゲイザー族長達が良い方向に進むように手助けしてくれていたんだ。  

 でも、天界には上位精霊もゲイザー族長も入れないはずだから……

 わたしとハデスが出会ったのは偶然だったんだね。

 誰かに好きになるように仕向けられたんじゃないんだ。

 でも、これは言えないよ。

 どこまでを話していいのか分からないから……


「わたしはずっと不安だったの。ルゥになってから……ハデスとの事を……ハデスがルゥの中にペルセポネを見ていたから、ルゥを好きになったんだって。大バカだよ。わたしはペルセポネでルゥで月海なのに……」


「……不安にさせたのはわたしが不器用だからだ」


「それは違うよ。わたしの心が弱かったの。わたしはいつも自分に自信がなかったから。今なら……心からハデスを信じられるよ? それから……わたしは幸せだよ?」


「幸せ?」


「うん。ハデスみたいに素敵な人にこんなに愛してもらえて幸せだよ」


「ペルセポネ……」


「ハデス……わたしを好きになってくれてありがとう。わたしと出会ってくれてありがとう」


「わたしの方こそ……ペルセポネ……ペルセポネに出会ってから色々あったが……覚悟ができた」


 覚悟が……?

 何の覚悟?

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