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ヒヨコのベリアルの秘密(2)

「ベリアルはわたしの子供じゃ嫌だっていう事!? わたしが母親じゃ嫌なの!?」


 わたしはこんなにベリアルを撫で回して吸いつきたいのに!


「だって、オレはぺるみを……だって、あ……そうだよ! 変態だからダメなんだよ! 撫でるのはいいとして、吸ったり鼻血を垂らしたりする親がいると思うか!?」


 ヒヨコちゃんの姿のベリアルが怒っているけど……

 くぅぅ!

 かわいいね!

 吸いつきたいよ!


「……残念ながらいるわよ? ゼウスはペルセポネを吸ったり撫でたりしながら時々鼻血を垂らしたりしているわよ? それにルゥの兄のヘリオスは、ルゥを好き過ぎて鼻血を垂らしながら身悶えていたわ?」


 お母様……

 それじゃ、お父様もお兄様も変態みたいに聞こえるよ?

 ん?

 っていう事はわたしは客観的に見て変態……!?


「……このヒヨコの身体がぺるみの子って事か。おえっ。なんか最悪な気分だ。でも天族の身体には戻りたくないし。うーん。どうしよう」


 ベリアル!?

 そんなに真剣に考えるほど嫌なの!?


「『おえっ。最悪な気分』って……そんなぁ! わたしはこんなにもヒヨコちゃんを大好きなのに! ん? 待てよ? じゃあわたしはモフモフ好きの変態だからベリアルを吸っていたんじゃなくて、子供への愛情で吸っていたんだよね? 良かった! なんだ、わたしは正常だったんだね。安心したよ」


「何が『安心した』だぁ!? ふざけるな! うぅ……でも、まだ本当にぺるみの子かは分からないし……ゼウスが来たら訊いてみるか? でもあのゼウスに難しい事が理解できるとは思えないし……うーん」


 ベリアル……

 冷静な分析だよ。

 お父様は難しい事が苦手だからね。


「ベリアルは、お父様の事を神じゃなくてゼウスって呼ぶんだね。それにお母様にもヘスティアにも様をつけないし。まだ天界で暮らしていた時もそう呼んでいたの? 不敬で捕まらなかったか心配になっちゃったよ。かわいいヒヨコちゃんが牢獄にいるなんてかわいそうだし」


「ん? いや、天界にいた時はきちんと呼んでたけど……オレはもう第三地区で暮らすって決めたし、第三地区のばあちゃん達もじいちゃん達も様をつけてないだろ? さすがにテンちゃんって呼ぶのはなんかおかしいからな。ゼウスって呼んでるぞ?」


「そうなんだね」


 良かった。

 神様とその姉と兄を呼び捨てにして天界を追い出されたわけじゃないんだね。


「今の話を聞く限り、ベリアルはばあちゃんのひ孫って事か?」


 おばあちゃん?

 確かにそうなるね。

 ベリアルを膝に座らせてイチゴを食べさせながら頭を撫でているね。


「だから、ばあちゃんはベリアルがかわいくて仕方がねぇんだなぁ。ベリアルがばあちゃんの作ったごはんを旨い旨いって食べるのを見て、ぺるみにそっくりだってずっと思ってたんだ。そうか、そうか。ぺるみの息子だったからか」


 そういえば、おばあちゃんはさっきもわたしとベリアルがそっくりだって嬉しそうにしていたよね。


「ばあちゃん!? ばあちゃんのひ孫なのは嬉しいけど、ぺるみの息子ってのは嫌だよ!」


「え? ベリアルはそんなにわたしが嫌いなの?」


 わたしはこんなに好きなのに!


「うぅ……そうじゃなくて……」


 あれ?

 わたしを嫌いなわけじゃないのかな?


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