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何を言っているのかよく分からなくても表情でだいたい分かるよね

「ハデス……どうかな?」


 頑張っておはぎを作ってみたけどやっぱりおばあちゃんみたいには作れなかったよ。


「あぁ。おいしいな。ペルセポネは何をしても素晴らしい」


 ハデスは優しいからいつも『おいしい』って言ってくれるんだよね。


「おばあちゃんみたいに上手に作れなかったけど……いつかすごく上手に作れるように頑張るよ」


「今のままで充分おいしいが。……それにしても……第三地区の人間同士の会話は相変わらず何を話しているか分からないな」


「え? ああ。集落は元々方言がすごいからね」


「方言か……」

 

 あ、ベリアルはおにぎりを物色中だね。

 ベリアルは梅干しが苦手だから、魚のおにぎりを探しているのかも。

 ぐふふ。

 真剣なヒヨコちゃんも激かわだよ!


「はぁ。働き過ぎてこえぇなぁ。よいじゃねぇや」

「そっちゃんめぇ。ははは!」

「にしゃぁ、何にもしてねぇっぴゃ」

「あはは。ぶちたたかっしゃいでも食うか」

「うわあぁ! はながみをよこすなやい」

「そんなもんぶちゃっちまえやい」

「残り一個のまんじゅうは誰が食うだ?」

「よし! とびっくらで勝負だ! 勝った奴が食うべぇ」

「うわあぁ! 転んだあ!」

「おやげねぇなぁ」

「なにぃ? はっとばすぞ!」


「……? ばあちゃん、今じいちゃん達は何て言ったんだ?」


 ベリアルがおにぎりを食べながらおばあちゃんに尋ねているね。

 くぅぅ!

 首を傾げてかわいいよ!

 しかもツインテール!

 くちばしの周りにはしっかり米粒がついているし。

 ぐふふ。

 堪らないよ。

 興奮で鼻血が出そうだよっ!


「……ぺるみは困った子だなぁ……んん? 今か? そうだなぁ。まあ、ようするにごみはごみ箱に捨てろって事だなぁ」


「……? そうなのか? もっと長く話してたみたいだけど?」


 おばあちゃん……

 簡単に訳したね。

 いや、わたしの変態的感情が聞こえてきておじいちゃん達の会話が聞こえなかったのかも。


「それにしても……ジャバウォックはベリアルと同じくらい食べているね。人間の食べ物がおいしいのかな?」


「グルル」


 ん?

 わたしに話しかけてくれているみたいだけど……


「うーん? 何て言ったのかな?」


「ここは幸せだって言ってるぞ?」


 イフリート王子が教えてくれたね。

 でも、ハデスが怖いのかかなり離れているよ。

 ハデスはジャバウォックには嫉妬しないみたいだね。


「ふふ。ジャバウォックは甘い果物が好きなんだね。こっちの桃もおいしいよ?」


「グルル」


「ん? ふふ。何て言っているのかは分からないけど嬉しいのは分かるね」


「グルル」


「これからは毎日会えるんだね」


「グルル」


「王子が、太り過ぎてジャバウォックが飛べなくなったら大変だって言っていたよ?」


「……グルルゥ」


「ん? 何か王子に文句を言っているのかな? ふふ。なんとなく分かったよ」


「グルル」


「えっと……桃のおかわりかな?」


「グルル」


「おぉ……少し分かる気がするよ」


「グルルッ」


 ジャバウォックが嬉しそうに笑っているね。

 王子達とジャバウォックは二か月間幸せの島で寝泊まりするのか。

 でもアカデミーを辞めるまでの二か月で魔族の問題を解決できるのかな?

 それに、他種族の王子と王様が共同生活をするなんて大丈夫なのかも心配だよ。

 まあ、食事は第三地区でするし、幸せの島には眠りに行くだけだろうけど。

 命も狙われているし、アカデミーにも行かないといけないし……

 でも王子達は命を狙われている事を知らないんだよね?

 これからどうなるんだろう。


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