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秘密のミッションスタート(3)

「お父さんだけじゃないよ? 種族王達もそう思っているんだ」


 種族王達も?

 あれ?


「他の種族王達にも子は、いるの?」


「リヴァイアサン王とケルベロス王にも子はいるんだけどまだ赤ん坊でね」


「……そっか」


 種族王は三つ以上の種族を傘下に入れると名乗れるんだよね。

 今の種族王は……


 ヴォジャノーイ王

 グリフォン王

 ウェアウルフ王

 イフリート王

 ベリス王

 リヴァイアサン王

 ケルベロス王


 それから、誰も傘下にいなくても種族王を名乗れるドラゴン王。


 ヴォジャノーイ王にはパートナーも子もいないし、ドラゴン王のばあばにはパートナーのおじいちゃんがいるけど子はいないから……


「ぺるみ……王子達を近くで見守ってもらえないかな?」


「お父さん?」


「正直……今の王子達が種族王になったら……」


「……うん。分かるよ? 魔族は優しいけど、弱い王は認められない。簡単に引きずりおろされるんだよね? そしてそれは死を意味する」


「……そうなんだよ。魔王としては種族王の事に口を出したらいけないとは思うんだけどね。今の魔族には目に見えての争いはないからね。だから今の王子達とグリフォン王には経験が足りないんだよ。まだ、今の種族王達が助けられるうちに色々経験させたくてね」


「それが……傘下に入っていない種族の……討伐……?」


「……いや、討伐というよりはどこかしらの傘下に入らせたいんだ」


「その方が目が行き届くから?」


「考えに合わないからって理由で命を奪いたくないんだよ。そんなのはよくない事だからね」


「そうだね。お父さんに暴君は似合わないよ。えへへ。安心したよ」


「……良かった。ぺるみに討伐するべきだって言われたらどうしようかと思ったよ」


「あはは。さすがにそこまで激しくはないよ」


「王子達は魔族を食べるべきだっていう種族がいる事は知っているけど、まだそれを自分達が解決する事は知らないんだ」


「なるほど。それで温泉の島に行かせたんだね。でも、王子達に解決させるってどうやって? その種族と話し合いでもするの?」


「……実は……どの傘下にも入らない種族がまだ力の弱い王子達を消そうと考えているみたいなんだよ」


「え? それで王子達を幸せの島に避難させたの?」


「うーん……それは偶然そうなっただけだよ?」


「偶然?」


「魔族の世界ではイフリート王が次期魔王になる事が知れ渡っているんだ。そうなれば一人息子のイフリート王子が種族王になる。それと、ベリス王子がベリス族の次期種族王になる事も皆知っているんだ」


「そうみたいだね。ベリス王子も言っていたよ」


「そして、種族王になったばかりの経験の浅いグリフォン王……」


「どの傘下にも入らない種族はその三人を消そうとしているの?」


「上手くいけば一度に三つの種族王の座を手に入れられるからね」


「……ずいぶん愚かなんだね」


 種族王はそんなに簡単になれる地位じゃないんだよ。

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