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呪いが解けていたなんて

「よし! なんとか第三地区の飾りつけは一時間前に終わったね。あとは、グラタンとかパンとかを宴が始まったら熱々のままテーブルに出して、今できるのはケーキのデコレーションか……」


「ケーキ!? 今から綺麗にクリームを絞るのか!?」


 あぁ……

 ヒヨコちゃんの姿のベリアルのつぶらな瞳がキラキラ輝いているね。

 くぅぅ!

 堪らないね!

 吸って撫で回したいけど我慢我慢。


「ベリアル、ひと休みするか? イチゴに練乳かけて食べるか?」

 

「うん! 食べる!」


 ふふ。

 ベリアルがおばあちゃんの膝でイチゴを食べているね。

 かわいい。

 ケルベロスはあれから冥界に帰って、時間になったらまた来てくれるから今は練乳イチゴを食べられないのか。

 練乳が大好きになったみたいだし、とっておいてあげよう。

 ……って、あれ?

 わたしもう何時間もモフモフを触っていないけど発作が起きないよ?

 もしかして……呪いが解けた?

 っていうより、最近は発作が起こる前に一時間に一度モフモフを触っていたんだよね。

 ……あ、ファルズフがかけた呪いは永遠に続くものじゃなくて、二日くらいで終わっていたとか?

 さすがに亡くなった後も呪い続ける事は無理だったのかも。

 だとしたら……

 わたし、ただの変態だったっていう事!?

 うわあぁ!

 恥ずかし過ぎて言えないよ!

 でも、待って?

 わたしの勘違いかも。

 無意識にベリアルを吸っていたのかも。

 よく思い出すんだよ!

 うーん……


「ぺるぺるは……ケーキの飾りつけをするんだろ? ぼんやりして大丈夫か?」


 吉田のおじいちゃん!?

 わたしの心の声が聞こえているよね!?

 もしかして、わたし……とっくに呪いが解けていたの!?


「んん? それは、天ちゃんがやる事だから、じいちゃん分かんなーい」


 はぁ!?

 ピーちゃんが呪いを解く方法を知っているんじゃなかったの!?


「ええ? じいちゃん分かんなーい」


 確か……おじいちゃんは、わたしが呪いを解く方法をもう知っているって言っていたよね?

 あれって……

『もう呪いなんて解けてるんだよ? まだ気づかないの? 変態さんっ!』

 って意味だったとか!?


「ぷはっ! じいちゃん分かんなーい」


 だから、お父様にのんびり呪いの解き方を調べさせようとしていたの?

 ハデスもお母様もピーちゃんが呪いを解く方法を知っているって思っているんだよ?

 違うって教えたいよ!


「うーん……そろそろデメテル達が来る頃だなぁ。じゃあ、じいちゃんが天ちゃんを天界に引き留めるから、その間に皆に呪いが解けてるって言ってもいいぞ?」


 ええ?

 いいの?

 

「ベリアルを吸う理由が無くなっちまうけどなぁ」


 う……

 それは困る。

 でも、心配してくれている皆を騙しているのは嫌なの。

 あ……でも、耳のいい魔族には今の話が聞こえているんじゃないかな?


「大丈夫だ。誰にも気づかれねぇように声だけ漏れねぇ結界を張ってあるからなぁ」


 そうなの?

 ハデスも気づかないなんて……

 すごい結界なんだね!


「そうだなぁ。じいちゃんはすごいんだ。あははは!」


 さすが初代の神様だね。

 すごいなぁ。

 でも、どうしてそんなにお父様に秘密にしたいのかな?

 お父様に呪いを解く方法を考えさせたい理由ってなんだろう?

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