この世界がわたしの願いを叶えようとしているの? (7)
「ペリドット様? どうかしましたか?」
マリーちゃんが心配してくれているね。
「あぁ……えっと……わたしらしいってどんな感じかなって思って」
「え? ペリドット様……ですか? うーん。優しくて魔力が強くて綺麗でそれから……」
「うわあ……そんなに褒められると恥ずかしいよ。あ、それから……?」
「え? あの……変態……とか?」
え?
変態?
「ぷっ! あはは! そうなんだよ。ぺるみは変態なんだ!」
ベリアルが心から嬉しそうに笑っているね。
日頃の恨みを感じるよ……
「ちょっと! ヒヨコちゃんてば笑い過ぎだよ!?」
「だって事実だろ!? あはは!」
「うぅ……それはそうだけど……」
「難しく考えるなよ。ぺるみはぺるみなんだから。それにぺるみは嘘がつけないからな。無理して自分を偽る事なんてできないだろ? 今のまま何も考えないでまっすぐ生きていけばいいんだ」
「……今のまま?」
「また難しく考え過ぎて壁にぶつかってるんだろ? 考えたって仕方ないだろ? 流れに身を任せながらその時、目の前にある壁だけを乗り越えればいいんだ。遠くにある壁を今見る必要なんてないんだからな。そんな遠くの壁なんてその時がきたら考えればいいだろ?」
「……ヒヨコちゃん……そうだね。今見える壁だけを見ればいいんだね」
「お前はすぐに深刻に考えるからな。もっと気楽に考えろ? オレがついているからな」
オレがついているからな?
かわいいヒヨコちゃんがずっと一緒にいてくれるの?
ぐふふ。
堪らないね。
「ぐふふ。ぐふふふ」
「うわぁ……心配して損した……」
ベリアルがいきなり笑い出したわたしに呆れているけど、我慢ができないんだよ。
「ちょっと吸わせてよぉ。ねぇねぇ。自分を偽らなくていいって言ったのはヒヨコちゃんだよ?」
「……お前って奴は……本当に仕方ない奴だな」
ベリアルの言う通り、難しく考えても仕方ないのかもね。
もしも世界がわたしを認めてくれているのならそれは今のこの変態のわたしなんだから……
自分を偽らずに、でも口から出る言葉に気をつけながら過ごそう。
「スーハースーハー……ぐふふ。ツインテールの間に顔をうずめるとこんな感じなんだね。ぐふふ。堪らないね」
「……!? お前! やめろ! スーハーするな!」
「ぐふふ。口ではそんな事を言っていてもツインテールはフリフリ動いているよ? 本当は嬉しいんだね。んもう。素直じゃないんだから」
「はあ!? また意味が分からない事を……ぐふぐふ言うなよ……うわあぁん! 羽毛が鼻に入るよぉ。ヨダレがつくよぉ」
「んもう。恥ずかしがりやさんなんだから。仕方ないねぇ。ほら、お風呂を創ってあげるよ。皆が魔術の使い方を知る役にも立てそうだし。その前にもう一度ひと吸いして……と。スーハー」
「……うげ。こいつは本当に、ど変態だな……」
ふふふ。
そうだよ。
わたしは世界に認められた、ど変態なんだよ。
「よし、じゃあ皆見ていてね?」
変態なだけじゃない姿を見せないとね。




