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何が真実かは分からないけど……これが真実なら辛過ぎるよ(9)

 さっきの族長の話から考えると……

 天族は胎児の時に神力と闇の力の両方を持っていて、母親を助ける為に神力を使い果たすと闇の力が出てくる……っていう事なのかな?


(……オレには分かりません。でも、その考えはオレも過去にしていて……矛盾があるのです)


 矛盾?

 うーん。

 前にハデスが闇に近い力で天族を鍛錬したらかなり苦しんでいたけど……

 天族が闇の力を持っていたら身体に負担がかかるんじゃないかな?

 でも、ベリアルがヒヨコちゃんの姿でくちばしから火が止まらなくなった時、イフリート王子に言われたの。

『自分の力で死んだら魔術なんて使えない』って。

 つまり、天族は生まれながらに闇の力を持ってはいない?


(はい。だから不思議なのです。どこから闇の力が出てきたのかが……)


 そうだね……

 それに神様だった吉田のおじいちゃんが胎児に闇の力がある事に気づかないなんて考えられないよ。

 やっぱり、卵として産まれる直前……

 殻に入る時に何かしらあるのかもしれないね。


(たぶん……この問題は誰にも原因は分からないと思います。何かしら原因はあるでしょうがそれを知る為には母体を切り刻み卵に入る前の胎児や、卵に入った直後の胎児を取り出さなければいけなくなります。そうなると……また、熊太郎とお花ちゃんのような被害者を出す事になります)


 それだけは絶対にダメだよ!

 

(この件は……忘れましょう。これからを変えていけばいいのです)


 これからを変える?


(はい。これから闇の力を持って産まれてくる子を幸せに育てればいいのです)


 ……闇の力を持つ子は魔族みたいな容姿なんだよね?

 見ればすぐに分かるっていう事なのかな?


(それも不思議ですね。なぜ闇の力を持つ子は天族の容姿ではないのか……)


 闇の力を持つから容姿が違うのか、容姿が違うから闇の力を持つのか。

 うーん。

 分からない事ばかりだよ。

 でも、コットスからは闇の力は感じなかったよ?  

 遥か昔の戦の時も闇の力じゃなくて怪力で戦ったらしいし。


(そうですか……では容姿と闇の力を持つ事とは関係がないのかもしれませんね)


(待って? もしかしたら……)


 おばあちゃん?

 どうかしたのかな?


(ええ。コットス達は三つ子だったの。三人でひとつの卵に入っていたのよ)


 そうだったんだね。


(……弱い闇の力を持っていたけれど三人でそれを分けたから闇の力が消えてしまった……とか?)


 ……うーん。

 どうなんだろう。

 ガイアであるおばあちゃんと初代の神様であるおじいちゃんに分からないのならもう誰にも分からないのかもしれないね。

 

(ぺるみ様、心配事を増やしてしまい……申し訳ありませんでした。……でも……心が軽くなりました。オレは……自分勝手ですね。すみません)


 謝る事はないよ?

 話してくれてありがとう。

 勇気を出してくれたんだよね。

 これからは、何でも話してくれたら嬉しいな。


(ありがとうございます。……あの)


 ん?

 何かな?


(……はい。ぺるみ様は世界に愛されているのかもしれませんね)


 え?

 世界に愛されている?


(はい。上手く言えませんが。この世界がぺるみ様を幸せへと導いているような……そんな感じがします)


 ……?

 あ……恥ずかしいよ。

 わたし……何回かそれを言ったよね。

 聞いていたのかな?

 この世界がわたしに力を与えてくれるから詠唱なんていらないんだ……とか。

 世界がそれを望んでいるんだ……とか。


(それが……真実なのかもしれません。そしてこの世界はぺるみ様に全ての生き物を幸せへと導かせようとしているのかもしれません)


 世界が……?

 

(ぺるみ様は世界に愛される愛し子なのかもしれません)


 愛し子……?

 うーん。

 わたしはただの変態だからそんな風に言われると恥ずかしくなっちゃうよ。

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