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何が真実かは分からないけど……これが真実なら辛過ぎるよ(3)

(……いえ。ベリアルでさえ気づいていませんでしたから。魔王様にお願いして今日だけゴンザレスの代わりを……ぺるみ様……それで……もしもそうなった時に人間を皆殺しにする覚悟が無いのなら……もう人間に関わってはいけません)


 ……族長?


(きっとオレはその時にも生きているでしょう)


 ……人間に虐げられる族長を黙って見ていろっていう事?


(それがこの世界の未来なら……甘んじて受け入れるしかありません)


 ……そんなの嫌だよ。


(ぺるみ様……では、人間を皆殺しにしてくれますか? 傷つけられる魔族の為に……)


 ……族長。

 

(もちろん今すぐではありません。魔族が人間を食べなくなるのはまだかなり遠い未来です。ですが……そうなったら……ぺるみ様に創造して欲しいのです)


 ……わたしが創造する?

 何を?


(初めから何も生き物がいなかった世界)


 族長……?

 それって?


(そうなればオレもゲイザー族も初めから存在していないから……痛くも苦しくもなく消えるでしょう?)


 そんな……


(オケアノスの為に創られた世界を……オケアノスの魂だったぺるみ様が……消してください)


 ……!

 わたしが……消す……この世界を……?


(もし、そうなったらですよ? このまま魔族は人間を食べ続けるかもしれませんしね。人間も優しくなるかもしれません。未来は……誰にも分からないのです)


 ……族長……あなた……まさか……未来を知っているんじゃ?


(……ぺるみ様、未来など見てはいけません。ぺるみ様は攻撃をされた力を自らの物にする力がありますね。ゼウス様はぺるみ様の……ペルセポネ様の魂の未来を見てしまいました。その時にはもうペルセポネ様のお身体はファルズフによって冥界に持ち込まれていましたが……魂が攻撃を受けたと思ったのでしょう)


 わたしにも……

 未来を見る力があると……?


(オレはこの世界に初めからいました。そして……心を聞く力だけではなく未来を見る力も持っていました。ゼウス様はかなり神力を使う為に未来を見る事はもうやらなかったようですが……オレは無限にできるのです)


 族長……?

 無限って?


(未来を見てはいけません。……結局何も変わらないのです。どんなに頑張っても……オレは仲間を……助けられなかった。仲間がどんどん死んでいく事をとめられなかった)


 ……族長は、未来を見たからグリフォン王国に攻め込んだの?

 それで今、魔王城で保護されているの?


(……いえ。恐ろしくて未来を見る事はやめました。今、魔王城にいるのは偶然そうなっただけです)


 偶然……?


(ぺるみ様は……未来をしっかり見ているのではなく……なんというか……こう動けば幸せになれるという道を歩んでいる……というか……)


 ……それって?


(ぺるみ様は確かに辛い事がたくさんありましたが今は全てがあるべき場所に戻りました。驚くほど綺麗に戻った……そうは思いませんか?)


 確かに……そうだけど。


(歩く道の先に幸せが待つように線が引かれているかのように……ぺるみ様は歩いています)


 わたしが幸せになる線が引かれている……?

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