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『 頭、大丈夫か? 』は悪口じゃなくて心配してくれている言葉なんだよ

「はい。楽しい思い出をいっぱい作りたいです。それなのにオレ……泣いちゃって……ごめんなさい」


 ジャックは本当に優しい子だよ。


「……わたしも……泣いているよ……だから謝らないで?」


 泣かないって決めていたのに……


「ペリドット様……」


「……不思議だね。まだ出会ったばかりなのにわたしはこんなにも皆の事が大好きなんだ」


「そうですね。オレも……ペリドット様とヒヨコ様が大好きです」


「あと二か月だけどこれからも仲良くしてね?」


「オレの方こそよろしくお願いします」


「……泣いたらお腹が空いたね」


「はは。そうですね。早く食べないとお昼ご飯をヒヨコ様に全部食べられちゃいますね」


「あはは。じゃあ食べようか。今日のお昼は何かな?」


「あ……ヒヨコ様が嬉しそうにサンドイッチを食べていますね」


「ふふ。あのパンみたいな翼でパンを持っていると……ぐふふ。堪らないね」


「ヒヨコ様の翼ごと食べちゃいたいですよね」


「……! ジャック……なかなかの変態ぶりだね。最高だよ!」


「オレ今、ヒヨコ様にちなんだメニューを考えているんです」


「え? そうなの? それは楽しみだね」


「でも、なかなかいい物が思いつかなくて」


「うーん。そうだなぁ。黄色くてふわふわでかわいくて……」


「そうなんですよね。黄色くてふわふわでかわいくて」


「あ、オムライスとかは? ヒヨコちゃんの形にするの! あ、でも、トマトソースが血みたいになっちゃうか……」


「……! オムライス! 確かペリドット様が朝食として持ってきてましたよね」


「うん。トマトソース味のご飯を薄く焼いた卵で包んでその上からさらにトマトソースをかけるの」


「おいしそうだなぁ」


「その卵がヒヨコちゃんの形になっていたら……ぐふふ。堪らないね」


「うわあぁ! あの……今度作り方を教えてもらってもいいですか?」


「もちろん! 楽しみだなぁ。ジャックの作ったオムライスなら絶対においしいよ」


「寝癖の部分はどうしようかなぁ。あぁ……かわい過ぎて食べられないかもしれないです」


「そうだよね! 分かる分かる!」


「やっぱり食べるとしたら後頭部からですかね?」


「それもいいけど、つぶらな瞳を見つめながら頭頂部から食べるのもいいよね」


「……! さすがペリドット様はプロですね!」


「あはは!」


「……『あはは』じゃないぞ。ぺるみは言ってる事が怖いんだよ。あと、何だよ? オレがかわいいヒヨコの女の子とイチャイチャしてるって……お前の頭の中はどうなってるんだよ。オレはお前の将来が心配だぞ……」


 ベリアルが呆れながら話しかけてきたね。

 でもくちばしの周りが生クリームサンドイッチのクリームだらけだよ。


「ぐふふ。堪らないね。ちょっぴり上から目線なのにしっかりくちばしにクリームが……ぐふふ。ぐふふふ」


「……ジャック……こうなったら、人としておしまいだぞ?」


 ベリアルがジャックに話しかけたね。

 

「ぐふふ。ヒヨコ様……偉そうなのにくちばしがクリームだらけ……ぐふふ」


「ジャック!? まさか、ぺるみの変態が感染したのか!?」


 ふふふ。

 ベリアルが小さく震え始めたよ。

 

「残念だったね。見てごらん? ここにいる人間達はヒヨコちゃんのかわいさにメロメロなんだよ? ヒヨコちゃんを見つめる瞳が生ぬるいでしょう?」


「なん……だと? まさか……もうすでにクラスの皆は、ぺるみの変態に感染しているのか?」


「ぐふふ。ヒヨコちゃん……この世界がヒヨコちゃんのかわいさにひれ伏す日は近そうだね」


「……! 何でだ? 何で全てぺるみの思い通りに進んでるんだ?」


「ふふふ。世界がそれを望んでいるからだよ。ヒヨコちゃんのかわいさで、世界が平和になる事を望んでいるからだよ!」


「……!? お前……頭……大丈夫か?」


 ベリアルが小さく呟きながらわたしの心配をしてくれている……

 ぐふふ。

 堪らないね。


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