変態が二人に増えた事に震えるヒヨコちゃんも激かわだね
「「うわあぁぁあ!」」
わたしとベリアルの声が重なったね。
さすがベリアルだよ。
かわいいだけじゃなくて気も遣えるなんて最高だね。
「ペリドット様? ヒヨコ様もどうかしましたか?」
ジャックが驚いているね。
でも『主食は人間』なんて事を聞くよりはいいよね。
「あはは。今……ニホンでは大声大会の……練習中なんだよ……あはは……」
また嘘をついちゃったよ。
でも、日本では本当にあった大会だよね?
「大声大会? 大声の大会?」
ジャックが首を傾げているね。
「あぁ……誰が一番大声で叫べるかを競うんだよ。優勝者はその地域の特産品とかがもらえて……」
「へぇ、そうなんですね。何を叫ぶんですか?」
「えっと……確か、好きな人に告白したり……感謝の言葉とか……好きな食べ物とか? なんでもよかったはずだよ?」
「おもしろそうですね。リリーさんの領地でもやったら盛り上がるかも。優勝者にはオレとリリーさんで作ったプリンをあげるとか……」
「うわあ! 素敵。ぜひやりましょう?」
ふふ。
ジャックとリリーちゃんは仲良しだね。
ジャックはリリーちゃんのお父さんとは上手くいったのかな?
「プリン!? プリンがもらえるのか!? オレも出たい! 大声大会に出たいよ!」
ベリアルはプリンが大好きだからね。
つぶらな瞳をキラキラ輝かせているよ。
「ヒヨコ様! ぜひ参加してください。あ、でもオレ達が卒業した後だから……その頃には……」
ジャックの言う通りだね。
わたしとベリアルはあと二か月でアカデミーを辞めるし、お兄様とココちゃんが結婚したらもう人間とは関わらない事にしたんだ。
「……そうだったな」
ベリアルも寂しそうにしているね。
そうだ!
「あのさ、今日の昼食のデザートをかけて大声大会をしたらどうかな?」
「え? 今日のデザート?」
「うん。確か、マフィンを作るって言っていたんだよね。ひとつだけ豪華なマフィンを作ってもらってそれをかけて勝負するの」
「うわあぁ! やるやる!」
ベリアルのつぶらな瞳がキラキラ輝いているね。
「でも、今からで間に合いますか? マフィンって作るのが難しそうだし」
ジャックが心配してくれているね。
でも、第三地区から水晶で見ているはずだから……
(ぺるみ様……第三地区では、どんなマフィンにするかで盛り上がっていますよ?)
ゴンザレス、教えてくれてありがとう。
「うん。忍の護衛がニホンに知らせに行ってくれたから大丈夫だよ?」
また嘘をついちゃった……
「おお! すごい!」
……ジャックもクラスの皆も多少の事には驚かなくなったよね。
「何を叫んでもいいのか?」
くぅぅ!
ベリアルが首を傾げながら尋ねてきたよ。
かわいいっ!
「じゃあ……好きなものとかにしようか? ぐふふ。ヒヨコちゃんは『ぺるみ大ちゅき』って叫んでも構わないよ? いや、その時点で優勝だね……ぐふふ」
「……気持ち悪。ずるはダメだそ? ちゃんと勝負の結果で決めるんだ」
「ぐふふ。真面目なヒヨコちゃん……堪らないわ」
「……こいつ、本当に気持ち悪いな……って今話したのはバニラちゃんか!?」
「ぐふふ。真面目なヒヨコちゃん……堪らないよ」
「……今度はぺるみか。変態が二人に増えた……オレ……不安しかないよ」
ベリアルが小さく震えているね。
「「ぐふふ。小さく震えるヒヨコちゃんもかわいい……」」
バニラちゃんと声が重なったね。
さすが変態を半分こした仲間だよ。
あ、全種族ベリアルアイドル化計画をバニラちゃんと進めたら良い案が出そうだね。
ぐふふ。




