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口を滑らせないように気をつけよう

「パール殿下の髪はフワフワですね」

「すごくかわいいなぁ。領地にいるネコちゃんみたいだ」


 ……グリフォン王の周りには男の子達が大勢集まっているね。

 まさか、新たな世界に目覚めていないよね。

 BL!?

 ついにこの世界にもBLが……

 興奮してきたよ!


「……ネコちゃん? オレがネコ?」


 グリフォン王は魔族の種族王だからネコって言われて怒りださないか心配だよ。


「あぁ……弟達の背丈がパール殿下と同じくらいなんです」

「オレもです。次の長期休みには領地に帰れるからやっと会えるよ」

「そうだなぁ。どれだけ大きくなっているか楽しみだなぁ」


 なるほど……

 そういう事か。


「……弟? わたしにも弟がいる。まだ赤ん坊でフワフワなんだ」


 そうだったね。

 グリフォン王の弟さんは小さくてチュイチュイ言っていてかわいかったよね。

 でも、フワフワって……

 人間の赤ちゃんはフワフワしていないけど……


「そうなんですね。かわいいんだろうなぁ」


 クラスの皆は特に気にしないみたいだね。


「あの……赤き殿下の髪はキラキラしていますね」


「赤き殿下……なんか恥ずかしいな……」


 イフリート王子は元々優しいからすぐに馴染めそうだね。


「皆さん楽しそうですね。ではこの時間はペリドット様と三人の殿下のお話でも聞かせていただきましょうか。他国を知る勉強という事で。いかがでしょうか?」


 先生……

 困ったな。

 クラスの皆も瞳をキラキラさせながら席についたね。

 でも王子達は魔族だし、黄金の国ニホンも実在していないし……

 間違えて余計な事を言わないように気をつけないと。


「えっと……」


 一番後ろの席に座っているわたしと王子達を皆が見つめているね。

 何を話せばいいんだろうな。


「わたしは……前にも話したけど、元聖女で……神様がペリドットの身体を授けてくださって……そんな感じかな?」


「あはは。ペリドット様は緊張しているんですか?」


 前の席のジャックが笑っているね。

 

「だって……何を話したらいいか分からないんだもん」


「あ、じゃあ……前から気になっていたんですけど、黄金の国ニホンは全部がきんでできているんですか? 確か、おもちゃの積み木も金塊でしたよね?」


「よくそんな話を覚えていたね……」


 これ以上話すとボロが出そうだよ。


「あの、噂で聞いたんですけど金を食べるって本当ですか?」


「え? あぁ……薄く伸ばした金を飾りとして料理に使う事があるよ?」


「うわあぁ! やっぱり本当なんだ。幻のクリームブリュレに金が乗っているって聞いたんです」


「幻のクリームブリュレ?」


 イフリート王の店舗で販売しているんだよね?


「はい。貴族の間でかなり噂になっているんですよ? 一度でいいから食べてみたいなぁ。完全予約制で二年待ちらしいんですよ」


「……へえ、そうなんだね」


 完全予約制にしたのか。

 だから、ベリス王の店舗に行った時にクリームブリュレがなかったんだね。


「皆さんは王族だから食べた事があるんですか?」


「オレはないな。肉食だからな」


「わたしも肉食だ」


 イフリート王子とグリフォン王は魔族らしい答えだね。


「へぇ、何の肉を食べるんですか?」


 前の席のジャック!?

 そんな事を訊いちゃダメだよ!


「それは、にんげ……」


 ……!?

 グリフォン王!?

 それ以上はダメだよ!


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