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また大変な日々が始まる……?

「はい。では皆さんに楽しいお知らせがあります。本日から新しくクラスメイトが三人増えます。では、入ってきてください」


 先生がクラスルームに入ってくると楽しそうに話し始めたね。

 ん?

 クラスルームの外に他のクラスの女の子達が集まっているのが見える。

 ジャックの話だと、すごくかっこいい三人らしいからね。

 でも他のクラスも講義が始まっているはずだけど、大丈夫なのかな?


「はい。では失礼しますよ? いやぁ、リコリスアカデミーは立派な建物ですねぇ。歴史を感じると言いますか。女性の皆様はどなたもお美しく男性は凛々しく素晴らしいですねぇ」

 

 ……!?

 嘘!?

 この声……しかもずっと話し続けるこの感じは……

 ベリス王子!?

 確か、ハデスにやられてから会っていなかったけど……

 生きていたんだね。


「ちょっ!? べ……王子!? ええっ!? 何でいるの!?」


 まさか人間を食べに来たんじゃないよね!?

 頭の角みたいなやつは隠してあるね。

 人間にしか見えないよ。


「おや、ぺるみ様。お久しぶりですね。いやぁ。本日もお美しい。それが、父から社会勉強をしてこいと言われまして」


 ぺるみ様って呼んでいるし……

 確かルゥの時に会っただけのはずだけど。

 って……


「はあ!? 王様が!? 何で!?」


 ベリス王はそんな事は一言も言っていなかったけど!?

 毎日会っていたよね!?


「いやぁ、それが……ほら、あの国の王のお母上が酷く怒って……ほら、色々ありましたでしょう?」


 え?

 あの国の王のお母上?

 酷く怒る?

 

「もしかして……あの……うん。分かった」


 グリフォン王の事だよね。


「それで、罰としてぺるみ様と共にリコリスアカデミーに通い世間の厳しさを知ってこいとお母上に言われたらしく……誰も逆らえなかったようです」


「……あの綺麗なお母さんってそんなに怖いの?」


 つがいになったグリフォンのお兄ちゃんも逆らえないって言っていたけど……


「……わたしの口からは何とも……よそ様のお母上ですから。ですが……誰にとっても母親とは怖いものではありませんか? 一番愛を注いでくれる分、心配のあまり口やかましくなるのです」


「王子の言う通りだね。ん? でも……じゃあ、三人のうちのもう一人は誰なの?」


「……オレだよ」


 この声は……


「イフ……王子!?」


 イフリート王子がどうしてここにいるの!?

 やっぱり魔族の角みたいなやつは隠してあるね。


「あぁ……父上がさっきの話を聞いて……オレにも世間の厳しさを知ってこいって……巻き込まれたんだよ」


「……巻き込まれた? 災難だったね」


「まあ、でもベ……王子も来るって聞いて心配だから……来る事にしたんだ」


 ベリス王子とは友達なんだっけ。

 

「心配? ふふ。王子は優しいんだね」


「え? あ、いや……変な事をしそうで心配なんだよ。放っておくとずっと話してるし、女好きだから……」


 確かにそうだね。


「いやぁ、わたしは女好きではないですよ? 周りが放っておかないと言いますか。困りましたよぉ」


 ベリス王子は相変わらずだね。


「ところで……グ……えっと……」


 グリフォン王は今は王子設定になっているのかな?

 さすがに王様がアカデミーに学生としていたらおかしいよね。


「……わたしは……ここだ」


 ……ん?

 人間の姿になっているけど……

 この声はグリフォン王だね。

 

「……災難だったね。大丈夫?」


 ゲイザー族に攻め込まれた事をお母さんが知って、かなり怒られたみたいだけど……


「……怖かった。今日からやっと逃げられる」


「……え? 逃げられるって?」


「今日から、わたし達三人はアカデミーに通う間、幸せの……いや、あの……黄金の国ニホン? の、おじ上の建てた家に住む事になったんだ」


 黄金の国ニホンのおじ上の建てた家?

 おじ上?

 そういえばグリフォン族とウェアウルフ族は仲がいいんだよね。

 それで、前ウェアウルフ王の事をおじ上って呼んでいるのかな?

 

 ん?

 待って!?

 じゃあ……わたしがアカデミーに通う残りの二か月間ずっとこの三人は幸せの島で暮らしているっていう事!?


「ええ!? そんなの聞いていないよ!?」


「ヨシダ……? が、おもしろそうだから黙っていろって言ったんだ」


「はあ!? 吉田のおじいちゃんが!?」


 これは、また大変な事になりそうだよ……


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