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ヒヨコ様の交換ノート(2)

「ふふ。いつかそのノートがすごく貴重な物として博物館とかに飾られたりしてね」


「ええ!? このノートがですか!?」


 ジャックが驚いているね。


「だって聖獣の記録なんてなかなかないでしょ? ジャックと学長の名前が刻まれた石碑とかができたりしてね」


「……! 石碑!? うわあぁ! 真剣に書かないと! うーん。ヒヨコ様は、変態のオレがヨダレを垂らすと『オレは綺麗好きだから』と嫌がって……うーん……そんな姿にさらにヨダレが出てきて……ああ! ダメだ! これじゃオレの変態が後世に伝わっちゃうよ! うーん……」


「あはは。いつも通りでいいんじゃないかな? ジャックと学長から見たヒヨコちゃんの姿をありのまま書けばいいんだよ。その方がヒヨコちゃんのかわいさが伝わるでしょ?」


「ありのままのかわいさ……はい! やってみます! うーん……」


 ふふ。

 ジャックは本当にベリアルの事が大好きなんだね。

 ……時々膝にいるベリアルを吸いながらノートを書いているよ。

 ん?

 ベリアルもペンを持ってノートの隅にお絵描きをしているね。

 パンみたいな翼にペンを持つヒヨコちゃん……

 激かわだよ!


「ヒヨコちゃんは何を書いているのかな?」


 確かベリアルは天族の時はすごく器用だったんだよね?


「ん? ジャックと学長の絵を描いてるんだ! オレは二人が好きだからな」


 ……!?

 ジャックと学長の絵を!?

 羨ましいっ!

 羨ましすぎるよ!


「わたしの絵も描いてよ! 宝物にするから! 一生大事にするから!」


「……お前……鼻息が荒いぞ? そこまで必死に言われると描きたくなくなる……」


「ええ!? 一生の宝物にするんだよ!? 描いてよぉ。ねぇねぇ。大事にするからぁ」


「甘えてもダメだ! どうせぺるみの事だから絵を見ながらニヤニヤするんだろ? それから鼻血を出しながら、ぐふぐふ言うんだ……」


「当たり前でしょ!? 世界の宝なんだよ!?」


「……ぺるみだけには絶対に描かない」


「ええ!? 何で!?」


「気持ち悪いからだよ!」


「ええ!? こんなにヒヨコちゃんを愛しているのに!?」


「お前はオレの身体目当てだろ!」


 身体目当て!?

 確かに……

 否定はできないよ。


「……なるほど。ペリドット様は聖獣のヒヨコ様の身体目当てで近づいて……それから……」


 ん?

 ジャック?

 まさか……今のやり取りを交換ノートに書いているの!?

 ダメダメ!

 後世にそんな事を残したらダメだよ!


「ちょっと……待って? ジャック……それは書かなくていいんだよ?」


「え? でも、やっぱり後世の皆も世界最後の聖女様の事が気になるだろうし……」


「え? いやいや、ダメだよ! 最後の聖女がこんな変態なんて……わたしの事は可憐で優しい少女っていう事にしてくれないかな?」


 聖女のイメージをわたしが壊すわけにはいかないんだよ!

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