表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

751/1484

オケアノスから語られた真実(6)

今回はオケアノス(バニラちゃん)が主役です。

 こいつは変わらない。

 オレを醜いからと捨てたあの時と……

 何も変わらないじゃないか!


 オレの心はこいつへの……オケアノスへの復讐でいっぱいになっていった。


 オレを殺せば……

 生まれてすぐにオレを殺していれば、この世界は創られなかったのに……

 聖女はあんなに苦しまずに済んだのに……

 オレの子孫が迫害される事も無かったのに……


 こいつのせいだ!

 全てこいつのせいだ!

 赦せない……

 不幸にしてやる……

 そうだ……

 全部終わりにしよう。

 オレが産まれてきたせいで創り出された『人間と魔族の世界』(あのせかい)と、この天界を滅ぼすんだ。

 

 だが……

 そんな事をしたら……

 娘によく似たペルセポネまで巻き込んでしまう。

 それに……

 まだ洞窟で眠っているであろう聖女も……

 聖女はオレの子孫で……

 オレの為に世界を浄化して亡くなったのに……


 ダメだ……

 オレは……本当にダメな奴だ。


 こうして、オレはペルセポネの魂ではあるが心の奥深くに入り込み深い眠りについた。


 その後、ペルセポネはオレの記憶を思い出す事なく成長していった。


 だが……

 オレはペルセポネに心の中で話しかけてしまったんだ。

 ペルセポネから月海になって、その後ルゥになっていたあの時に……

 ハデスの心を信じられなくなって心の奥深くに閉じこもっていたペルセポネに……


『本当にそうなの? 』と。


 あの時に話しかけてしまったせいでオレの心とペルセポネの心が繋がってしまった。

 そして……

 ベリアルをかわいがるペルセポネに、つい話しかけてしまったんだ。

『ちょっと生意気なのに、甘い物が好きとか、かわい過ぎるよ……』とベリアルを見て興奮するルゥを心の底から見ていたらオレも興奮してしまって……

 つい『そうでしょう? 』と話しかけてしまって……

 そのせいでペルセポネはベリアルを見て両鼻から鼻血を出したりするほどの、ど変態になってしまった。

 ……そう。

 オレは遥か昔、心の中だけに生きる子に、ど変態として愛を注いでいたんだ……

 ペルセポネ……

 すまない。

 ペルセポネの『ど変態』はオレの魂のせいなんだ。


 こうしてペルセポネは日々ど変態になり……今に至る。




「ちょっと待ってよ! 最後の方、おかしくなかった!? 何!? 日々ど変態になり今に至るって!?」


 ペルセポネがプリプリ怒り出したな。

 まぁ、そんなところも愛らしいが。


「ふふ。ペルセポネ……落ち着いて?」


「バニラちゃん……いつも通りの話し方だね。さっきまでは男性みたいに話していたけど……」


 ベリアルの為にも今まで通り、話す時は母親のような優しい言葉で話した方がいいだろう。   

 これくらいは簡単な事だからな。

 

「そうね。わたしはベリアルの母親として生きていくと決めたから。ふふ。もちろんうさちゃんの母親でもあるわ? でも、うさちゃんは今はペルセポネを娘のように溺愛しているから」

 

「寂しくない? うさちゃんは息子みたいな存在でしょう?」


「ふふ。子はいずれ成長して親元から離れていくものよ?」


 それに遥か昔、うさちゃんとは一度も話をしないままオレは死んだからな。

 正直思い出も何もないんだ。

 うさちゃんがペルセポネを選ぶのは当然の事だ。


「……もう復讐はしないわ。これからはベリアルの母親として……ウラノスとガイアの息子として……は、まだ無理そうだけど……バニラとして暮らしていく事にしたの。わたしは愚かよ。かわいいペルセポネを✕✕(ピー)して✕✕(ピー)させて✕✕(ピー)そうとしたなんて。そんな事をしたらペルセポネの✕✕(ピー)がグチャグチャって出てきてその辺がペルセポネの✕✕(ピー)だらけになってしまうでしょう? ふふ」


 ん?

 ベリアルの超絶かわいいヒヨコちゃんの身体が震えている?


「うわあぁぁん! バニラちゃんが怖い事を言ってるよぉ! ぺるみみたいな事を言ってるよぉ!」


 はは。

 本当にベリアルは超絶かわいいな。

 さすがオレの子だ。

 これからは誰にも虐げさせない。

 オレが守ってやるからな。

(ペルセポネの神力を使ってだがな……)

バニラちゃんが初めてルゥに話しかけた時のお話は

『異世界で、人魚姫とか魔王の娘とか呼ばれていますが、わたしは魔族の家族が大好きなのでこれからも家族とプリンを食べて暮らします。~ルゥと幸せの島~』

第一部 家族編 第195部~197部『ルゥとハデスとペルセポネ(1)~(3)』に書かれています。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ