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勇気を出すって簡単なようですごく難しいよね(3)

「……オレはずっと考えていた。オレが醜く産まれたから……だからオレは捨てられた。オレのせいだ。全てオレのせいだ。だが……美しく産まれたから愛されているペルセポネが、月海るみが、ルゥが憎い……オレの感情はもう何ともならなくなっていた」


 オケアノスの苦しさが……

 辛さが伝わってくる……


「ルゥがペルセポネの身体に戻った時にある事に気づいた。ペルセポネは攻撃された力を吸収しその力を使える……天界ではファルズフの毒に押さえつけられていたし神の娘に攻撃するような奴はいなかったから気づかなかったが……これは復讐に使える。憎いウラノスもガイアも、美しく産まれただけで愛されるペルセポネも皆死ねばいい。オレが殺してやる。皆苦しみながら死ねばいい。だが……ペルセポネを……娘に似たペルセポネを爆発させるなどオレにはできなかった」


 ……やっぱりオケアノスは優しいんだ。

 悪い事なんてできないんだよ。


「オレは……毎日をモヤモヤしながら過ごした。ペルセポネを月海をルゥを愛するウラノスとガイアの姿をペルセポネの中から見てきた。本当だったら、オレもこうやって愛されたはずなのに……オレは捨てられたんだ。それなのにこいつらは幸せそうに暮らしている。……赦せない。そして、それより赦せなかったのは……ベリアル。オレの息子……」


 思った通りだ。

 ベリアルはオケアノスが創り出したもうひとつの人格だったんだ。

 バニラちゃんが本物の息子さんだったんだ。


「オレだけの息子が……よりによってウラノスとガイアにかわいがられている。耐えられなかった。オレだけの愛しい息子が……オレは遥か昔の悪事を全てベリアルのせいにした。そう話せば皆ベリアルを嫌うはずだ。……だが、誰もベリアルを嫌いはしなかった。オレは自分の愚かさを憎んだ。オレはダメな奴だ。容姿だけではなく心まで醜い化け物なんだ。そう気づくと……捨てられた理由は容姿だけではなかったのかもと思うようになった」


 ……苦しいよ。

 心が苦しいよ。

 でもオケアノスはもっと苦しいよね。


「オレは自分を責めながらもベリアルをかわいがるウラノスとガイアをさらに憎むようになっていった。そして思いついたんだ。オレがベリアルのヒヨコの身体に入れば……ペルセポネの身体で大量の神力を使えば途中で体力が尽きて倒れ復讐ができなくなるかもしれない。だがベリアルの創り物の身体なら無限に力を使えるはずだ。ベリアルの身体でペルセポネの神力を引き出して使えば……」


 やっぱり……

 そうだったんだね。

 わたしの力を使ってこの世界と天界を滅ぼそうとしていたんだ。

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