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お花ちゃんから聞いた真実~後編~

「……お花ちゃん、熊太郎。他には……何か聞いたりしなかったかしら?」


 おばあちゃんは、ずっと辛そうな顔をしているね。


「……あとは……そうですね……わたし達は音と声を聞いていただけですので。覚えているのは……『どうしてオレは醜いのに子孫のお前は美しいんだ』とか『どうしていつもオレばかり不幸なんだ』とかそういう内容だったかと……」


 お花ちゃんが申し訳なさそうに話しているね。

 恩人であるおばあちゃんが、息子さんの事で苦しんでいる姿を見ていたから……

 でも……それを言ったのはベリアルの心?

 それともバニラちゃんの心だったのかな?


「お花ちゃんは……どうして息子が聖女に入ろうとした事が分かったのかしら? 隠し部屋にいてその様子は見ていなかったはずよね?」


 おばあちゃんの言う通りだね。

 どうして分かったのかな?


「酷く怒っている声が聞こえてきて……『どうして身体に入れないんだ』と……『あいつは魔族の姿になったり天族の姿になれるのに、どうしてオレにはできないんだ。こいつの身体が欲しいのに、どうして入れないんだ』……と」


 あいつ……?

 吉田のおじいちゃんの事だよね?

 

「お花ちゃん、熊太郎……他には何か聞いたりしなかったかしら?」


 おばあちゃん……?

 いつもと様子が違うよ?

 焦っているみたいに見える。

 どうしたのかな?


「……他には……よく思い出せません。ずいぶん昔の事ですので……ただ……わたしも熊太郎も同じ様な感情を持っていたので今の部分は覚えていました」


「……そう。ありがとう」


 おばあちゃんがそう言うと、吉田のおじいちゃんがお花ちゃんと熊太郎に神力を使い始める。


「おじいちゃん……? 二人に何をしているの?」


 怖いよ……

 身体の震えが止まらないよ。


「ぺるぺる……じいちゃんは二人の記憶を消してるんだ。このままこの記憶を息子に聞かれたら……二人は殺されるだろうからなぁ」


 おじいちゃんも小さく震えている?

 

「とりあえず、空間移動で『お花ちゃんと熊太郎の島』に行きましょう。二人をベットに寝かせてあげたいわ」 


 おばあちゃんは、この遥か昔の出来事を全て知っていたのかな?

 辛そうではあるけど、落ち着いて見えるよ……



 空間移動でお花ちゃんと熊太郎をベットに寝かせると、おばあちゃんがゆっくり話し始める。


「ペルセポネ。あなたには記憶操作が効かないから……全てを話すわ? ウラノスにもさっき同じ話をしたのよ?」


「おばあちゃん……さっき、お花ちゃんがしてくれた話って……ベリアルの事なの? それともバニラちゃんの事なの?」


「そうね……これは……勘でしかないけれど……バニラちゃんのはずよ? バニラちゃんは偽の感情を聞かせているようだから本当は何を考えているのかが分からないの。でも、ベリアルはお菓子の事で頭がいっぱいだから……やはり悪の感情はバニラちゃんの方だったのね。ずっと一緒に暮らしていたウラノスの思った通りだったわ」


「……わたし……バニラちゃんを疑う事をやめようって思って……でも……わたし……怖い事を考えちゃって……」


 身体の震えが止まらないよ。

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