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お花ちゃんから聞いた真実~前編~

 毎日早く眠る第三地区の皆がそれぞれの家に帰った。


 明日も皆、四時起きなのかな?

 今日は冥界で夜を過ごす日だから、魔王城にいるハデスを迎えに行こう。

 ゆっくり魔王城に繋がる橋を渡っていると熊太郎とお花ちゃんに声をかけられる。

 

「あの……」


 お花ちゃんが申し訳なさそうにしているね。


「お花ちゃん? 何かあった? もしかして家が違うから眠れないのかな?」


「……いえ、あの……」


 あ、橋の向こうからハデスが歩いてきているね。

 ……?

 あれ?

 ハデスが立ち止まっている?

 ……違う……時が止まっているんだ。


「お花ちゃん、熊太郎……」


 天族の姿のおばあちゃんと吉田のおじいちゃんがいつの間にかわたしの後ろに立っている?

 すごく深刻そうな顔をしているよ。


 お花ちゃん達は時が止まっている事に気づいていないみたいだね。


「ガイア様……あの……聞いていただきたい話があるのですが……」


 お花ちゃんが気まずそうに話している。

 

「ええ……」


 おばあちゃんも辛そうな顔をしているよ。

 おばあちゃんと吉田のおじいちゃんは、お花ちゃん達の心を聞いてどんな内容なのか分かっている感じだね。


「あの……こんな話をしてもよいものか悩んだのですが……バニラちゃんとは……その……遥か昔にこの世界に来たガイア様のご子息なのですよね?」


 ……?

 あ、そうか。

 聖女が棺に納められて洞窟にいた時に、おばあちゃんの息子さんだった頃のバニラちゃんが洞窟に行ったのかな。

 それで知っているのかも。


「ええ。……そうよ」


 おばあちゃんはお花ちゃんがこれから何を話すのかを分かっているみたいだね。


「あの……記憶違い……だったら良いのですが……」


 ……?

 嫌な話なのかな?


「……話して?」


 おばあちゃんが真剣な顔をしているね。


「はい。あの……わたしと熊太郎は洞窟の隠し部屋にいて……その中にいれば天族にさえ気づかれない結界をガイア様に張っていただいて……なので、ご子息もわたし達には気づいていなかったようでした。わたし達は聖女が洞窟に来てすぐに隠し部屋に住み始めたようで……それで……ご子息が……」


 すごく話しにくそうだね。


「気を遣わなくていいのよ?」


 おばあちゃんが悲しそうに微笑んでいるね。


「はい……あの……ご子息が……聖女の棺を開けると……聖女の身体に入ろうとしたのです」


 ……?

 え?

 今……何て言ったの?


「……そう」


 おばあちゃん?

 驚かないっていう事は……知っていたの?


「おばあちゃん……今の話ってどういう事なの?」


 息子さんが聖女の身体に入ろうとしたって……

 まさか、憑依しようとしたっていうの?

 

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